公示地価が3月18日に発表され、全国平均でプラス1.4%と5年連続で上昇しました。

訪日外国人の増加などを背景に今年は地方圏でも28年ぶりに上昇するなど回復の動きは広まりましたが、調査が1月1日時点のものでコロナショックは織り込まれていません。

地価は今後どうなるのでしょうか、取材しました。

沖縄UDS株式会社

南国・沖縄。

商業地の変動率上位10位以内には4つの地点がランクインしています。

地価の高騰を支えるのが観光需要。去年の観光客数は1,000万人を突破しました。

しかし・・・
木下幸太郎記者、
沖縄県那覇市の国際通りに来ています。こちらの広場は観光客を中心にいつもは賑わっていますが、今はほとんど人が見えません。

国際通り沿いの商店街も人の姿はまばらです。

観光客は日本人が半分、インバウンドが半分だったが、その50%がいなくなった感覚。

インバウンド急変の煽りを受けているのがホテル。

先月オープンした「ホテル アンテルーム 那覇」、近くの土地の価格は去年から4割ほど上昇しました。
このホテルの特別な部屋「コンセプトスイート」。

国内の有名アーティストが監修するなどデザイン性の高さが売りだといいます。

ベランダを出ると目の前には港が広がります。

しかし、コロナショックで来客は少なく厳しい出出しに・・・
ホテル アンテルーム 那覇の山森薫支配人、
稼働率8割の想定だったが実際はその3分の1程度。非常に厳しい。

観光需要が減る中、地元客を館内のレストランに呼ぶ込むなど地元の需要を掘り起こそうとしています。

地元の人に愛されるホテルになれば県内旅行者が来てくれると思う。

新しいコミュニティーや可能性が生まれる場所にしたい。

浅草
影響は東京・浅草でも。

東京圏の商業地で変動率上位4位までを独占した浅草。

一見、人通りはありますが外国人の姿はほとんど見えません。
こちらの喫茶店では・・・

外国人の数が圧倒的に減った。

外国人の売り上げが30%くらい。それがまるまる無くなる感じ。

地元の不動産業者は新型コロナの影響が不動産に影を落とし始めているといいます。

観光事業をやる会社と賃貸事務所の契約が成立寸前まで進んでいたが今月破談になった。

オリンピック需要も見込んでいた会社だったのでコロナの影響だと思う。

赤羽
一方、住宅地では。

大通りに面したこのあたりの土地が東京圏・住宅地の上昇率第3位に選ばれました。こちらにはマンションが1棟建っています。奥の方にもマンションが3棟立ち並んでいます。

東京の北区・赤羽。
東京圏で上昇率ベスト10に2地点が入っています。

JRと地下鉄7路線が通っているほか、駅近くには商店街や大型スーパーもあり利便性が高いことで人気です。


株式会社ベストセレクト
こちらは売出し中の中古マンション。

62平米で間取りは2LDK。
赤羽駅からは徒歩11分かかりますが築年数は4年と築浅の物件です。

価格はおよそ5,000万円。

ベストセレクト赤羽店の加藤雅彦さん、
不動産価格は15年ごろから1割~2割、駅周辺で約3割上がったところもある。

赤羽では近年、ファミリー層を対象に新築のマンションが次々建てられていますが価格は年々上がってきたといいます。
新築と中古の物件だと1,000万円以上差が出ることがある。

「1円でも安く買いたい」と中古が選ばれる。

三菱地所株式会社
一方、新築マンションで増えているのが都市部のコンパクトマンションです。
三菱地所が去年10月に売り出したこちらのマンション「ザ・パークワンズ目黒不動前」。

駅から徒歩1分の立地で52戸がすでに完売しています。

2LDKとしては通常より狭めも50平米程度のタイプもあり、価格はおよそ7,000万円から。

地価が上昇する中、広さより利便性を重視する共働き世帯などが買っているといいます。

マンション販売に新型コロナウイルスの影響はないのでしょうか?

三菱地所レジデンスの樽見奈緒さん、
お客様の来場自体は半減している。

賃貸のニーズは新型コロナでは下がりにくい。

コンパクトマンションは影響受けづらい。

株式会社すむたす

不動産業者は強気の姿勢ですが、ここに来てマンション市場に異変の兆候が・・・


AIを使って不動産の買い取り価格を査定するサービス「すむたす買取」。

今月に入って査定の依頼が普段の倍から3倍に急増しています。

すむたすの角高広社長、
先週契約したお客様はコロナの影響を懸念して売却を決断したと言っていた。

住宅価格が今後下落するのを懸念し、売却に動き始めているというのです。
ファミリー向けというより投資向けやワンルームの査定が増えている。

立教大学

地価の先行きはどうなるのか?
専門家は・・・
立教大学大学院、久恒新教授、
リート(不動産投資信託)の下落が普通じゃない。直線的に落ちている。

不動産価格の先行指標ともなる投資信託「REIT」がここに来て3割ほど急落。

その影響は商業地ばかりではなく住宅地にも及ぶ可能性があるといいます。
経済全体が不況になると企業収益が悪化する。

給与所得が上がりにくくなるし、住宅地の価格が下がる可能性がある。

マンションは当然下がる。

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