消費の落ち込みや大勢が集まる場所を避ける人が増え、苦境に立たされている企業が増えています。
様々な工夫でそれを乗り越えようとする取り組みを取材しました。

株式会社hanane
[blogcard url="https://hanane.jp/"]
東京では全国で最も早く桜が開花しましたが…

今年は感染拡大を防ぐため各地で宴会やお花見の自粛要請が出されています。

少しでもお花見気分を味わってもらおうと生花販売のハナネが売り出したのは…

hananeの石動力代表、
いま外で花見ができないので家で花見を楽しんでもらうために桜の枝を入れたセットです。

桜の枝などを自分で飾って自宅でお花見を楽しむことができるセット「saku-chan~作れるお花見~」です。

想定の5倍以上の注文が入るなど評判は上々です。

家から出られないこともある中で春なのでお花を見たい、飾りたい。

この商品が注目を集めるのにはもう一つ理由がありました。
実はある支援につながっているのです。
カギとなるのがこちらのバラ。

神奈川県小田原市。

このハウスでバラの栽培をしている稲毛農園の稲毛朋信さんです。

例年3月から4月にかけては出荷の最盛期ですが今年は…

イベントや学校関係がなくなってだいたい価格は2~3割くらいは落ちている。

卒業式や送別会などのイベントの中止が相次ぎ、花の取引価格が下落しているのです。

ここ最近天候も良くて育ちも良かったから、まさにこれからという時に。

がっかりです。

この日、稲毛さんを訪ねてきたのはお花見セットを販売するhananeの石動さん。バラを買い取りに来ました。

市場に出せなくて捨てられてしまう花を買い取っている。

hananeが買い取るのは需要が減るなどして廃棄されてしまう花。
先ほどのお花見セットにこうした花を使い、花農家の支援につなげようとしているのです。

hananeさんが買い取ってくれる。非常に助かっている。

旭酒造株式会社
[blogcard url="https://www.asahishuzo.ne.jp/"]
宴会の自粛要請で需要が減っているものがもう一つ。

日本酒です。国内外で高い人気を誇る旭酒造の獺祭も例外ではありません。
この日行われていたのは種麹と呼ばれるこうじ菌を蒸した米にふりかけ発酵を促す種切り。

酒の仕込みが進められていましたが、よく見ると空のタンクが目立ちます。

例年、この時期は夜まで稼働することもある瓶詰めの行程もこの日は午後4時前に終了しました。

旭酒造はここ数年、海外での売上を伸ばしてきました。特に中国への輸出は毎月前年の1.5倍以上のペースで増加。

しかし、感染拡大で注文のキャンセルが相次ぎ、今年2月の中国への出荷額は1年前より6割近く減ってしまいました。

かつてない逆風が吹く中、経営トップの桜井博志会長も参加して開かれたのが…
きょうはありがとうございます。

皆さんと一緒に飲めて幸せです。

乾杯!

乾杯の音頭に応えたのはパソコン画面に映った中国の顧客達。
実はこれ旭酒造が企画したオンライン飲み会。

獺祭のボトルとグラスをオンライン飲み会の参加チケット付きでおよそ1,600円で中国でネット販売。

商品だけで4,000円相当なのでかなりのお買い得価格です。
チケットに書かれたQRコードを読み取るとオンライン飲み会に参加できる仕組みです。
もう2杯目です。

旭酒造の桜井一宏社長、
もう2杯目?僕は4杯目です。

中国では大人数での飲み会が事実上制限されている中、新たなお酒の楽しみ方を提案し、獺祭を飲んでもらうという狙いです。
今度友人にすすめようと思います。

新型コロナウイルスが広がる中でこんな新しい取り組みが始まって今までにない体験ができた。とても面白かった。

この日は国内外合わせて120人以上が参加しました。

顧客との飲み会に参加して桜井会長はある手応えを感じたといいます。
「家飲み」が海外でも大事になってくる。そこを開拓していく。

どうしたら市場のチャンスに突っ込んでいけるかが一番大事。

経営者は今それをやるべき。
