日本でトップシェアを誇るあるキーワードを武器に新規開拓を図る動きがあります。そのキーワードが「北欧」。
スウェーデンの家具メーカーの「IKEA」、デンマークの雑貨「flyomg tiger copenhagen」、日本ではお馴染みのスウェーデンのファストファッション「H&M」、このようにたくさんのブランドが日本に進出して人気を集めています。
実はいま、日本の企業がこうした北欧の魅力に注目し新たな取組を進めています。
京王百貨店
[blogcard url="https://www.keionet.com/"]
連休で賑わう新宿、京王百貨店。
1階の中央、目立つエリアに北欧の雑貨を集めた特設ブースが設けられています。
中でも多くのお客様を集めているのが北欧テイストのアイテムを取り揃えた北欧屋台のブース。
いろんな雑貨がありますね。北欧を代表するキャラクター、ムーミンのグッズがこのあたりには並んでいますね。
お馴染みのキャラクターが描かれた雑貨から食器やキッチン用品まで色とりどりの北欧アイテムが揃っています。
京王百貨店新宿店婦人雑貨部バイヤー、河越由衣さんは、
想定していた以上にお客様に来てもらっている印象。北欧の力を効果的に使うことでお客様を呼ぶことができる。
ここで取り扱っているのは雑貨だけではありません。
この一角は食品。
伝統的な北欧の味が楽しめるソース。全部で5種類。価格は594円です。
これを作っているのは冷凍食品でトップシェアを誇るマルハニチロです。
マルハニチロのマーケティング部開発営業課、北原尚樹さんは、
一目見て「このパッケージがかわいい」というのが第一声。
実はこちら、スーパーやコンビニでは手に入りません。
雑貨店や百貨店に対して提案するのは、新しいマルハニチロとしての取り組みであり挑戦。ここから新しい活路を見いだして多くのお客様にマルハニチロのブランドを知ってもらう。
マルハニチロ株式会社
[blogcard url="http://www.maruha-nichiro.co.jp/"]
マルハニチロが新たに目を付けたのは北欧人気に集まるお客様。
販売先はこれまでシェアを獲得してきたスーパーなどではなく百貨店やおしゃれな雑貨店に絞りました。
日本の消費者に馴染みのない北欧の味を広めようとマルハニチロは食べ方の提案もしています。
新商品を使ってどんな料理をつくることができるのか実際に見せていただきます。
まずは前菜です。
ジャガイモ、カリフラワー、ブロッコリー、インゲンが入っている。
そこにサーモントマトソースをかけ、あとは混ぜるだけ。下準備を合わせても5分程度で出来上がります。
続いてメインディッシュ。使うのは「ルバーブ」という北欧定番の野菜とりんごを合わせたジャム「ルバーブアップルジャム」です。これを肉にかけて焼くだけ。余ったジャムをそえれば完成です。
デザートにはキャラメルシナモンソースを入れた生クリームを付けて食べるワッフル。
一体、それぞれどんな味の料理なのでしょうか?
ルバーブアップルジャム。ルバーブが酸味があるからあんまり甘すぎてしつこいって感じはないですね。
今回開発した5種類の北欧の調味料。そこにはトップシェア企業の意地がありました。
マルハニチロのマーケティング部、野中木乃実さんは、
瓶詰市場がダウンしつつある中、変わった切り口の商品を出すことで巻き返しをはかれないかと。
マルハニチロは冷凍食品や缶詰では取り込みきれなかった若い女性を中心に新しい顧客を取り込みたい考えです。
そのためこだわったのがデザイン。今回の商品は食べ終わったあとも使える、という付加価値を作るためある企業と共同開発したのです。
株式会社宝島社
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ファッション雑誌で売上トップシェアを誇る宝島社です。取材で様々な場所に行く出版社。宝島社のマルチメディア局、根本江利子さんはフィンランドを訪れた際に北欧ならではのデザインに目を付けました。
これはほかにないデザインだと思った。
そして雑誌で北欧を特集したところ、歴代最高の発行部数を記録。2012年には「kippis」という北欧ブランドを展開し始めました。バッグや折り畳み傘など様々な商品を販売し、順調に売上を伸ばす中、今回、マルハニチロを共同開発した調味料で食品市場に新規参入を果たしました。
さらに味についてもアイデアを出し、何度も商品開発をやり直してもらったといいます。
お客様にどんな柄がうけるか、店に並んだときに、どういう柄が目に入るか、出版物をつくる過程で培ってきている。食品をやることでより多くの人たちにキッピスに触れてもらえる機会が増えると思う。