2月15日からの1週間、中華圏は春節というお休みに入ります。
上海の空港はとても賑わっています。
日本を訪れる中国人の観光客もこの時期、ピークを迎えますが彼らが持つナゾの運転免許がいま波紋を広げています。
国際免許証
日本有数の観光地、沖縄。
最近ではその人気は海外にも広がっています。
ロビーでは数多くのレンタカー業者がプレートを掲げてお客様を待っています。
沖縄では点在する観光地を自由に巡ることが出来ることからレンタカーが人気です。
観光を終えて中国に帰るという男性もレンタカーを利用したといいます。
日本でバイクや車の運転を自分でするのでフィリピンで国際免許を取りました。
その免許証を見せてもらうと、なぜか免許証にはフィリピンの国旗が…。
フィリピンで取った免許証です。
実はこの男性、日本で運転をするためにフィリピンで免許を取得し、同じくフィリピンでは発行された国際免許証を取ったといいます。
動画サイト
一方、中国の動画投稿サイトでは、日本旅行の新しい形としてレンタカーを薦める動画が数多く公開されています。
ただドライバーの男性が持っていたのは、また「あの国」の免許証。
ドライバーの男性は、
日本のレンタカーには国際免許が必要だが中国政府は発行してくれない。だからフィリピンが発行した国際免許を用意した。
実は中国では日本で有効な国際免許を発行できません。これは日本の国際免許のルールを定めたジュネーブ条約に中国が加盟していないためです。
そこで中国人が抜け道としたのがフィリピン。ジュネーブ条約に加盟しているため日本で有効な国際免許を発行できるのです。
淘宝網
[blogcard url="https://world.taobao.com/"]
上海支局の谷口康輔記者、
どうやってフィリピンの国際免許を手に入れたかというと中国の通販サイトを使ったケースもあるようです。
何でも揃うといわれる中国最大の通販サイト。
ここに大量に出品されているのがフィリピン政府発行の国際免許です。
相場は日本円で4万円前後。
中国の免許の写しなどを郵送すれば2週間ほどで手に入るといいます。
果たして本物なのか?
フィリピンの陸運局に問い合わせると、
免許がネット上で売られている…?
ノー…それは違法な免許だ。
本人がフィリピンに来ないと免許は取れない。通販もしていない。
陸運局によるとフィリピンに1ヶ月以上滞在した経験と1年以上滞在できるビザの取得が国際免許を取る最低条件。
1ヶ月以上のフィリピン滞在経験 |
1年以上のビザの取得 |
通販サイトに出品されているものは全てニセモノだといいます。
しかし、免許を出品した中国の業者に話を聞くと、こんな声が…
日本でこの免許を使うのは確かに違法だ。でも警察などは正確にチェックできない。もし本物か偽物か確認したくても追跡する方法がない。
国家公安委員会
この問題を受けて1月に運転免許を所管する日本の国家公安委員会は、
関係省庁などと連携し偽造国際免許の実態把握と摘発に務める。
偽造免許証を発見した場合、摘発に務めると述べています。
中国人観光客
今回、中国・上海から来た家族。
「フィリピンで取った国際免許証?」
そうです。
「今日はどこへ?」
恩納村です。
これからレンタカーを借りて沖縄の観光地を巡る予定です。
レンタカーを借りるために必要なフィリピンの国際免許証も用意しました。
予約していたレンタカー会社「ルフト・トラベルレンタカー」。
カウンターで手続きのために運転免許証を出すと、何やら不穏な雰囲気が…
手続きを取ろうとしましたが、ここではレンタカーの貸出ができないと断られたのです。
結局、レンタカー会社のバスで空港に戻ることに。
レンタカー会社に理由を聞くと、ルフト・トラベルレンタカーの上地洋さんは、
免許は提示してもらったがフィリピンを訪問した記録が確認できなかった。私たちも提供する責任があるので、きちんと確認してから提供している。