コロナ禍のリモートワークで家のモノが増えたという人も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解消してくれる新たなサービスが広がっています。カギとなるのは「駐車場」。一体どういうことなのでしょうか。
株式会社エンタイズコーポレーション
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埼玉県ふじみ野市にあるとあるマンション「日神パレステージ上福岡」。
管理組合の理事長を務める相馬剛さんはある問題に頭を悩ませていました。
いま空きがある。車は要らなくなってくるのかな。
駐車場の空き問題です。
このマンションでは81のうち16の駐車場が空いています。
いま若者の車離れや高齢者の免許返納などの影響で全国のおよそ35%のマンションが空き駐車場を抱えています。
一番の問題は駐車場賃料の収入がなくなる。
収入がなくなることでマンションの維持管理が難しくなる。
年間の駐車場収入は全体のおよそ2割。110万円のマイナスに。
修繕費用が十分に捻出できないことが大きな問題となっています。
さらにコロナ禍でこんな事態も…
この扉の奥がごみ収集車。
液晶テレビとパソコン用のモニター。
リモートワークが増えてパソコンを買い換える。
新しいものを置くなら場所を確保しなければならない。
住居は限られたスペースしかないので余分なものを置いておけない。
だから捨てようということでゴミの投棄が増える。
家にモノを収納しきれずゴミの不法投棄が増えているのです。
4月、そんな相馬さんのもとにある人物が…
エンタイズコーポレーションの山田智裕さん。
これまでおよそ40棟のマンションの空き駐車場をトランクルームに変えてきました。
このノウハウを使い、空き駐車場の大量発生、収納スペースの不足、両方を一気に解決しようと考えたのです。
何か大掛かりな改造を行うということではなく、万が一駐車場を使いたい場合は簡単に外せるというのが売り。
これはたぶん助かる。住人をうまく説得できれば。
住人の理解を得るためにこのマンションでは数回に渡る説明会を実施。
さらに5月にはサンプルを置き、住人の疑問解消に務めました。
奥行きがないし、入れにくいかな。
これは簡単に外せる。
大きいものを入れたいときは全部外してもらって自転車を入れることもできる。
この日、住人の同意を得て正式に導入が決まりました。
6月、山田さんが向かったのは荒川区にある町工場「繁栄工業」。
トランクルームに欠かせないあるものを作るためです。
それはトランクルームを乗せる土台です。
繁栄工業の福田伸生社長。
1個1個手作業になる。
駐車場はメーカーや型番によってサイズが違うため大量生産はできません。
大きすぎると入らず、小さすぎるとぐらつきの原因となるのでミリ単位の繊細な作業が求められるといいます。
海外で作ったりすることでコストを下げられるかもしれないが、こういった町工場で細部まで作り込んでもらうことでお客様に安心感を持ってもらえると思う。
7月12日、トランクルームを設置する日がやって来ました。
町工場で作った土台が次々と運び込まれていきます。
ストッパーを取り付け駐車場と土台部分を固定。隙間なくぴったりと収まりました。
この土台の上に本体を組み上げていきます。底に板を入れ、棚を設置。
作業開始からおよそ5時間、トランクルームの完成です。
駐車場1台のスペースに4つのトランクルームを設置。月額料金は1つ4,950円で4つ全て借り手が付きました。
利用を決めた住人が家から荷物を持ってやって来ました。
扇風機は高さがあるのでこちらに。
ぴったり。
結構広いと思った。
徒歩の距離なので、そこが一番強い。
駐車場の空きに対して困っているマンションは多いと感じる。
トランクルームに入れてもらうことで、より生活の質を上げてもらいたい。