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[WBS] トランプ大統領がアマゾンを大批判の理由!廃れた鉄鋼の街に大型倉庫!

2018年4月7日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

トランプ大統領がターゲットにするのは何も国だけとは限りません。

アメリカのネット通販大手「Amazon.com」に対して連日批判を繰り返しています。

「アマゾンは税金を払っていない」、「多くの小売店を廃業に追い込んだ」、そして「郵政公社に配送料をもっと払え」、こうした批判を受けてアマゾンの株価は一時急落しました。

トランプ氏がアマゾンへの批判にこだわる理由には一体何があるのでしょうか?

Amazon.com, Inc.

[blogcard url="https://www.amazon.com/"]

4月3日、トランプ大統領、

アマゾンは郵政公社に正当な配達料を払うべきだ。

日本時間4月6日未明には「公平な競争環境をつくることを真剣に検討している」とアマゾンへの課税の強化も辞さない姿勢を見せているトランプ大統領。

アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾスCEOとの長年の確執が理由と見られていますが、一方でトランプ氏には別の狙いがあるようです。

ベスレヘム

アメリカ東部、ペンシルベニア州のベスレヘム。かつては鉄鋼の街と呼ばれアメリカ経済を支えましたが、鉄鋼業が衰退した今、街の中心部にでは空き店舗が目立ちます。

こうした中で貧しくても真面目に生きる人々の姿はビリー・ジョエルの名曲、「アレンタウン」のモチーフにもなっています。

ビリー・ジョエル「アレンタウン」

この町で暮らすのはますます困難になっていく。それでもぼくらはアレンタウンに住んでいる。

鉄鋼業の復活」を公約に大統領選に勝利したトランプ氏にとって重要な地盤の一つです。

ここで今、ある変化が起きています。

内田広大記者、

製鉄所が次々と廃業に追い込まれているこの地域で、存在感を増しているのがアマゾンの大規模な物流倉庫です。

商品の仕分けなどを行う施設でアマゾンは約3,000人を雇用。平均時給は約13ドルと最盛期の鉄鋼業と比べるとかなり低い水準です。

CDショップ

地元でCDショップを営むメアリー・ラダコビッツさんはアマゾンのネット通販にお客様を奪われているといいます。

アマゾンを通じてCDを売る道もありますが、手数料や他の業者との競争を考えると簡単ではありません。

アマゾン?悪魔と取引するの?そうなるかもしれないわね。

またお客さまの多くもアマゾンに批判的でトランプ氏が掲げる鉄鋼の復活に期待を寄せています。

アマゾンは街をめちゃくちゃにした。倉庫があるだけだ。トランプ大統領は他の誰よりも私たちを助けようとしてくれている。

アメリカに産業を取り戻したい。鉄鋼業のような仕事があるアメリカに戻ってほしい。

トランプ氏がアマゾン批判を続ける背景には中間選挙において、こうした人々の心情に訴えようとする思惑がありそうです。

しかし街の産業構造を変えようとこれまで新しい企業を誘致してきた元市長はトランプ氏に批判的です。

元ベスレヘム市長のドン・カニンガムさんは、

アマゾンはこの地域の経済にとって大きな存在となっている。大統領も誰も時間を巻き戻せない。100年前のようにはいかない。

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