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[WBS] 経済低迷で足元揺らぐ!?韓国の文大統領の頭痛のタネは…

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元徴用工を巡る裁判などで日本との関係が悪化している韓国ですが、韓国国内でも問題を抱えています。

文在寅大統領が労働者中心の政策に力を注いだものの経済指標は悪化するなど、その足元が揺らいでいます。

全国民主労働組合総連盟

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韓国南西部の全州。

この場所である争いが起きていました。

見えてきたのは横断幕のかかった塔。

市役所にあった照明灯が占拠されたといいます。

この場所に籠城していたのはタクシー運転手の金宰周さん(56歳)。この日で籠城は509日を迎えていました。

「何をしている?」

タクシー会社に給料に関する法律を守るように要求している。

金さんは賃金制度の改善に応じないタクシー会社を取り締まるよう全州市に訴えています。

この問題が解決されるまではここを下りられない。

籠城が500日を超えてしまったが、ここでやめるわけにはいかない。

この籠城を支えるのが韓国最強の労働組合、通称「民主労総」です。

食事など生活を支えるだけでなく、当局との交渉窓口になっている。

組合員が向かったのは全州市役所の副市長室。

連日、要求を受け入れるように副市長らとの交渉を続けているといいます。

デモ

その頃、市役所の外では…

民主労総の組合員、

最後まで力強く闘争しましょう。

闘争!闘争!

民主労総がデモを開始。

ところがしばらくすると組合員たちが突然どこかへと向かっていきました。

一体何があったのか?

ソウル支局の横堀拓也記者は、

いま組合員の人たちが市役所の中に入ろうとドアをこじ開けています。

交渉中に市側がタクシー会社を擁護するよな姿勢を示したとの情報が入り、組合員たちが市役所に乗り込もうとしました。

全州市には新しいことをしてほしいわけではない。

法律通りに会社を取り締まってほしいだけ。そうなるまでは活動をやめない。

こうした過激な行動は韓国GM、ゼネラルモーターズでも。

設置したカメラが捉えたのは社長室になだれ込む労働組合の組合員たち。

イスを投げつけ、机や棚を壊し始めました。

資金難の会社が給料の一部について支払いを先送りにしたことに反発したのだといいます。

国民の声

要求を通すためには手段を選ばない労働組合に国民は・・

組合活動をしたことがあるが主張だけが強く周りが見えていない。

労働組合が会社にあまりにもむちゃな要求をしていると、経営者としては人件費が負担になるので海外への移転も考えるのではないか。

実は韓国の労働組合の組織率は全労働者の10%あまり。

影響力

ただ、激しいデモは企業や国民生活に影響を与え、その損害は無視できないものになっています。

さらに朴槿恵前大統領の退陣要求デモを主導するなど政界を揺るがす影響力も持っているのです。

民主労総が最大の立役者となって誕生したともいえる文在寅大統領。

しかし、労働者政策に成果が上がらず、経済指標は悪化するばかり。

こうした中、文大統領が起こした行動はサムスン電子の副会長らとの会談。

これまで距離をとってきた財閥や大企業のトップたちを大統領府に招くなど接近を始めたのです。

良質な雇用の創出は韓国経済の最大の課題だ。

韓国政府は企業が力強く飛躍できる環境を作ることが今年の目標。

こうした政権の変化を受け、民主労総の代表者会議では不満が噴出する事態に…

文大統領が言った労働者が尊重される世の中になっているでしょうか?

私が信じるのは文大統領ではない。誇らしい民主労総の闘争だ。

民主労総は今月末、全国でストライキを計画。

政権との対決姿勢を鮮明にしつつあります。

強すぎる労働組合の存在が韓国経済を今後のリスクになるかもしれません。

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