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[WBS] 新政権で業界が期待!韓国ゲーム規制緩和!

2017年6月16日

  • ワールドビジネスサテライト(WBS)

    韓国で文在寅氏が大統領に就任して1ヶ月余りが経ちます。

    こうした中、新政権へ期待を寄せるのがゲーム業界です。その背景には何があるのでしょうか?

    韓国のゲーム事情

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    5月25日、ソウル近郊で開かれたゲームの展示会「2017プレイエキスポ」。

    韓国ではオンラインゲームが盛んで人口は日本の半分ですが日本とほぼ同じ市場規模があります。

    ただここ数年、異変が起きています。

    ソウル支局の和田高さんは、

    韓国の主要なゲーム企業はオンラインゲームが稼ぎ頭ですが、売り上げの多くを占める国内市場は法規制によって萎縮したといいます。

    ゲーム企業の社員は、

    ゲームには非合理な規制が多い。規制緩和して欲しい。

    規制が始まった時、すごく悲しかった。仕事をゲームに決めていたから。

    ゲーム規制

    韓国では日本でいうネットカフェで子供がオンラインゲームに熱中する姿を目にします。しかし、それが加熱し中毒者が出るなど社会問題化。

    2011年に16歳未満を午前0時から午前6時までオンラインゲームから強制的に退出させるシャットダウン制やゲーム内での課金制限など次々と規制が導入されました。

    一連の規制によってオンラインゲーム市場は2割以上縮小し業界のリストラが加速しました。

    規制の煽りで会社を解雇されたという金珍雅さん。勤めていた会社の売り上げが3分の1以下に激減し80人ほどが解雇されました。

    「あなたはクビ」と言われ、会社の状況は分かるが怒りがこみ上げ虚しかった。

    金さんのような韓国国内のオンラインゲームに関わる雇用は法規制後に半分以下に減りました。

    さらに韓国政府は2016年、オンラインゲームを酒やギャンブル、さらには麻薬とともに中毒性がある4大悪と位置づけたのです。

    文在寅大統領

    そうした中、大統領となった文在寅氏。選挙戦で経済活性化策としてある訴えをしていました。

    ゲームをまるで麻薬のように見る否定的な認識や偏見を変えるべきだ。

    文大統領は朴政権を支持した財閥の改革を訴える一方、自らの支持層であるIT系企業を盛り立てようと朴政権が作ったゲームを悪とする規定や課金制限などを無くしゲーム産業の振興を図る狙いです。

    ブルースカイゲームズ

    モバイル用のロールプレイングゲームを展開するブルースカイゲームズ。

    秋に発売する新作を製作中ですが、季炫嵎社長はげ政権交代はゲーム業界に追い風になると期待を膨らませています。

    ゲーム産業は萎縮し投資する雰囲気ではなかった。新政権はゲーム産業に育成資金を出してほしい。

    政府による規制で縮小した内需は約1,160億円とされ、規制を緩和すればそれが回復すると民間のシンクタンクは予測しています。

    遊びメディア教育センター

    全国の小学校を周り、保護者たちにゲーム中毒に関し、公演する民間教育機関「遊びメディア教育センター」の権長喜所長。

    セーフにゲーム規制を提言してきた専門家です。

    ゲーム業界が求める規制緩和はシャットダウン制や課金制限の撤廃。

    しかし教育界はゲームが再び社会的問題になるなら認めないと、安易な規制緩和には強く反対しています。

    ゲーム産業活性化の障害をなくすのは必要だが、「ゲーム中毒」になる規制緩和は市民が認めない。

    規制緩和の議論は時期尚早。文大統領によってゲーム業界には過度な期待が膨らんでいるとの指摘もあります。

    デリケートな事案とされるオンラインゲームの規制緩和。新政権の経済活性化策は早くも壁にぶつかっています。

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