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[WBS] 【ロングセラー研究所】三ツ矢サイダー

2016年10月12日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アサヒ飲料株式会社

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兵庫県川西市、ロングセラー研究員が最初に向かったのは、あまり手のつけられていない茂みの奥。

あの辺りです。プクプクしているのが見える。

透き通った小川の底から沸き上がる気泡。

天然の炭酸水です。

これは一体?

アサヒグループホールディングス株式会社の根本ささ奈さんは

三ツ矢サイダーの前身となる平野水の源泉です。

1881年、当時の宮内省が外国の要人に振る舞う良質な炭酸水を求め、たどり着いたのが三ツ矢サイダーの起源でした。

それから約130年、今も残る日本最古の炭酸飲料の秘密に迫ります。

三ツ矢サイダー

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ロングセラー研究員がやってきたのはアサヒ飲料株式会社の明石工場。

ここでは1日5万箱の三ツ矢サイダーが作られています。

作り方はとてもシンプル。

ろ過した水に甘味や酸味、香りを加える。

その味は社内の試験に合格した社員が確認します。

アサヒ飲料株式会社の明石工場、山本善展さんは

味、酸味、苦み、うまみ、渋み、最後は人間の舌で確認している。

その後、液体に炭酸を加えるのですが、ここである工夫が。

アサヒ飲料株式会社の明石工場、羽尾純一さんによると

炭酸は冷たい液に溶けやすいので冷たくしている。

単純な工程で作られる三ツ矢サイダー。

しかし、その売り方には様々な仕掛けが隠されています。

ライフ神戸駅前店

スーパーの売場に並ぶ三ツ矢サイダー。

500mLのペットボトルを横から見てみると、実はほかの商品より1.5cmだけ背が高くなっているのです。

アサヒ飲料株式会社の三ツ矢サイダー担当、水上典彦さんは

三ツ矢サイダーは見慣れたものなのでお客様が気付きにくい。歴史が長いブランドだからこそ店頭で目立つ容器を採用した。

またパッケージのデザインもほぼ毎年、微妙に変更しています。

常に新商品が投入される清涼飲料の売り場で新しさを演出するためです。

分析1・売り場で目立つよう常に変化。

三ツ矢サイダーの歴史

三ツ矢サイダーの前身、三ツ矢平野水が生まれたのは1884年。

当時は蕎麦よりも高い嗜好品の一つでした。

発売からしばらくの間、三ツ矢サイダーは透明ではなく黄色でした。

それが1969年には着色料をやめて透明さをアピール。

これを背景に高度成長期は売上を伸ばしました。

しかし1980年代以降、お茶なども飲料市場に入り競争が激化。売上を大きく落としました。

そこで生き残りをかけ、透明ではなく色や味をつけた派生商品を次々に投入しましたが…。

過去を振り返ると三ツ矢サイダーの本質的な価値である透明から少しぶれていたのかもしれない。

そうした反省から、いまは透明炭酸として成長した原点に回帰。

今年発売の新商品は果実の味をつけながら透明にこだわりました。

分析2・原点回帰で透明にこだわる。

130年を超えるロングセラー。

今も残る日本最古の炭酸飲料からいまだ刺激は抜けていないようです。

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