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[WBS] 中国・競争は小学生から!宿題と習い事の夏休み!

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人口世界一といえば中国です。

ですがその中国でも日本と同様、高齢化と少子化が進んでいます。

国を挙げて子供の数を増やそうとしているのに増えません。

一体なぜなのか?

中国のある小学生の夏休みに密着するとその理由が見えてきました。

ベビー・キッズ・マタニティー見本市

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中国・上海で開かれた子供・ベビー用品の見本市。

会場は子供連れの来場者で大盛況です。

オモチャや子供服などさまざまな商品が並びます。

中にはこんなオモチャも…

子ども用テスラ販売業者は、

テスラと提携してデザインしました。中国で非常によく売れています。

テスラのロゴ入り、最新のバッテリーを搭載。1台600ドルです。

二人っ子政策

中国は長年、「一人っ子政策」で厳しい産児制限を行ってきました。

しかし高齢化が進む中、国の若返りを狙って2016年に「二人っ子政策」に転換。

二人目を持つ自由を得た親たちに聞くと意外な答えが返ってきました。

子供は1人しかいない。二人目を生むつもりはない。

二人目の計画はいまのところない。

二人っ子政策が始まっても出生数は現象。

その理由は、

二人目を育てる余裕があるか考えないと。

学校以外の塾などにお金がかかる。

理由に挙げるのは教育費の高騰。

競争社会の中国ではよりよい教育が不可欠だと親の教育熱は年々高まっています。

中国の子どもの夏休み

中国の子どもはどんな夏休みを過ごしているのでしょうか?

訪ねたのは9月から小学4年生の嵇新宸くん(9歳)。一人っ子です。

毎日午前中から昼過ぎまでは夏休みの宿題をする時間です。

小学2年生から宿題はほとんどパソコンでやる。

これは全部宿題。

宿題リストでは算数、英語、音楽など17もの課題がずらり。

午後、おじいさんと自転車で向かった先は体育館。

バドミントンの個人レッスンを週3回受けています。

1時間みっちりとコーチが指導します。

夕食後、新宸くんはテレビの前へ。毎日ニュース番組を見るのも学校の宿題のひとつです。

国営放送がトップニュースで習近平思想について伝えていました。

そこへ母の海燕さんが帰宅してきました。

中国では夫婦共働きが一般的です。

今日のバトミントンはちゃんとできた?

午後7時過ぎ、1日はまだ終わりません。

今度は自宅でピアノの個人レッスンです。

ピアノは両手を同時に使うから脳の発達にもいいと思います。

将来彼女を作るときにも役立つかもしれないし。

ある1週間の新宸くんの予定表。

月曜から日曜まで毎日2つ以上の習い事。

なぜこれほど必要なのでしょうか?

ほとんどの子が習い事をしている。

息子は出来は悪くないと思っていた。

でも小学校に入ったら皆も優秀だと気付きどうしようかと焦った。

学歴社会の中国、勉強ができなければ将来十分な収入は得られないという不安がつきまといます。

もし子供が勉強ができなかったら私が老後働けなくなっても子どもの面倒をみないといけない。

いま息子の教育にお金を使って将来息子に養ってもらえる方がいい。

夏休みの海外旅行、行き先はイギリスでした。

目的は新宸くんの将来の留学に向けた下見です。

ロンドンのほかにどこに行ったの?

リバプール。

サッカーチーム見た?

見ていないけどスタジアムには行ったよ。

英語教室の授業は英語100%。

2時間イギリス人講師に作文と会話を学びます。

習い事も含めた教育熱の高まりで中国の平均的な家計の年収に占める教育費の割合は2割を超え大きな負担になっています。

新宸くんの習い事の費用も年間およそ160万円に上るといいます。

母、海燕さんに「2人目の子供は?」と聞くと、

1人だけでも多くのエネルギーを使う。

2人ならいまの2倍のエネルギーが必要。そんな力はもう残っていない。

中国人口と発展研究センター

老いる中国を若返らせることはできるのか?

人口問題に詳しい専門家はこう話します。

中国人口と発展研究センターの黄匡時副研究員は、

今後、出産の奨励政策を全国的に真剣に検討する必要がある。

所得税から教育費を免除する政策なら二人目を生んでも生活水準が落ちない。

育児制限は今後、次第にゆるくなって完全撤廃に向かうと思う。

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