レッサーパンダの風太。この愛らしい姿で14年前に人気者となり写真集が出版されたり、コマーシャルに出演したりと一大ブームを巻き起こしました。

ただ、この風太を飼育している千葉市動物公園の来園者数を見てみると、風太ブームの時にはおよそ90万人の来場者がいましたが、そこからだんだんと減少していき2018年度にはおよそ57万人まで落ち込んでしまっています。

そんな動物園の立て直しを任されたのは東芝グループの元役員という異色の経歴の持ち主でした。

千葉市動物公園
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千葉市若葉区にある千葉市動物公園。

かつて大ブームとなったレッサーパンダの風太は現在15歳。人間でいえば70歳になりました。
最近は立ち上がることは減ったといいますが、いまでもこの動物園の人気者です。

この他にも緑豊かな34万平方メートルの敷地にゾウやライオン、鳥類など125種類の動物を飼育しています。

踊って~!


来園者は、
広過ぎず歩くのにちょうどいい。

子ども目線で動物を見られる。

学びの深い動物園になっている。

鏑木一誠園長
そんな園内で動物の様子を見つめる一人の男性。

先月、千葉市動物公園の園長に就任したばかりの鏑木一誠さん(56歳)です。

鏑木さんは東芝でおよそ30年に渡りパソコン事業や新規事業に携わり、本社の部長やグループ会社の執行役員などを務めた人物です。

小さい頃から動物好きだった鏑木さん。

転機となったのは去年、千葉市が動物公園の園長を公募するという話を耳にした時でした。

定年後を自分自身も考える時期になってきた。

全く違う領域のことに携われるのであれば楽しい人生、有意義な人生が生まれる可能性もあるんじゃないか。

人生最大の決断だった。

442人の応募の中から書類審査、面接を経て新延長に選ばれた鏑木さん。

先行に携わった千葉市の熊谷俊人市長は、

鏑木氏は東芝で新規事業を切り開き、あらゆる部門の経験を持っている。

そうした分野を評価させてもらった。

集客アップ
熊谷市長が与えたミッションはずばり集客アップ。

去年57万人だった来園者を4割増の80万人にというものです。

そこで鏑木さんがまず取り掛かったのは…
これ(案内板)は即席で作った。

あそこにあった。

全然見えないのでここに持ってきた。

これまで外部にいたからこそ気付く来園者目線での園内整備。

「ここにこういうものがあったらもっといいのに」というのを素直に園の職員にぶつけている。

さらに東芝出身の鏑木さんが次に見据えているのがICT(情報通信技術)の導入です。

時代の要請としてICTは使わなくてはいけないツール。

アプリとかICTのちからをどう使うか。

いま何ができるかといったプロセスで進めていきたい。

また職員に向けて集客や効率化などに関してプラス25%の目標を掲げ、これまで動物園の文化になかった目標の数値化を根付かせようとしています。

目標を数字で言われたことは確かになかった。

みんなが意識しなければいけないところがあると思う。

明確に「いつまでにこういう数字」とか「これをやる」という指示が出ている。

スピード感を持ってやっていく。

こうした取り組みの効果もあってか、4~5月の来園者数は前年を2割ほど上回っています。

「驚きと感動」「癒やしと憩い」、それから「学びの場」として人と都市を育む、市民生活に根づいた動物公園にしていきたい。
