創業100年を超える象印マホービンの製品。
日本でお馴染みの象印ですが、実は筆頭株主は中国の投資ファンドで象印の経営手法に批判的な声を上げています。
2月19日、その両者が株主総会を舞台に対決しました。
象印マホービン株式会社
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貸切バスを乗り付け家電量販店へ。
数年前にはお馴染みだった中国人観光客による爆買い。
お目当ての一つとして売れに売れたのが高級炊飯器でした。
その恩恵を受け、象印は2016年11月期に過去最高の営業利益を上げました。
中国でも象印は高い認知度を持っています。
「象印製品のイメージは?」
品質がいい。友達も使っている。
ところが中国の家電量販店を覗いてみると…
中国メーカーは新たな機能を次々と搭載し、目新しさで消費者の購買意欲をかき立てます。
上海支局の菅野陽平記者、
こちらの炊飯器、釜の横には米びつが付いています。ここに米を入れておくと自動計量して炊き上げまでフルオートでやってくれるということです。
それに比べてやや手狭な象印のコーナーには、
こちらの象印の炊飯器、強調されているのは「MADE IN JAPAN」、日本製という文字です。中国メーカーの炊飯器は年に2回ほどモデルチェンジしているとのことですが、象印の炊飯器は2年ほど変わっていないといいます。
日本製以外の特色を打ち出しきれていない象印。
売り上げは伸び悩んでいます。
加えて中国でのネット通販の対応が遅れたこともあり、知名度の高さとは裏腹に3期連続で減収減益が続いています。
そんな象印と対象的に広い売り場で存在感を示すのが中国の家電メーカー「Galanz(ギャランツ)」です。
並ぶのは全て電子レンジ。世界シェアでおよそ3割を占めるといいます。
このギャランツの創業者が運営する投資ファンド「エース・フロンティア」が現在の象印の筆頭株主なのです。
その投資ファンドの代表でギャランツの副会長を務める梁恵強氏。象印の株主総会に出席するために来日しました。
象印の経営体制は20年前に止まっている。
良い面もあるが未来に投資しないと将来がない。
ただ、その資金を技術開発に投資した方が株主だけでなく従業員や顧客を含め全ての人に有利だと考える。
象印の市川典男社長の在任期間は19年。4代にわたって創業家による経営が続いていて、梁氏は業績不振の一因は現在の経営体制にあると批判しました。
株主総会
株主総会では梁氏が代表を務める投資ファンドが新たな社外取締役、元日銀の長野聡氏の登用を提案。
象印はこの提案に反対。新たな社外取締役としてサントリーの副会長、鳥井信吾氏の登用を提案しました。
象印マホービンの西野尚至広報部長、
象印側の提案は全て可決された。
株主提案は否決された。
象印側の提案が可決されました。
株主は、
この会社、大好きですから。
「今の経営体制がいいか?」
そうですね。
よかった。
中国に乗っ取られる。技術みんな持っていかれる。
ただ、株式市場は厳しい反応。
早期の収益改善期待がなくなったとの見方もあり、象印の株価は3%下落しました。
現時点ではわれわれは象印と協議する予定はない。
原則的にわれわれはTOB(株式公開買い付け)のような刺激の強い手段を使うことは考えていない。
私が今この段階で簡単に答えられるような問題ではない。