全国農業協同組合連合会
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新型コロナで経済が大きな打撃を受ける中、和牛の流通業者や生産者が集まり和牛サミットを開きました。
JA全農の齊藤良樹常務理事、
日本の食文化である和牛も苦境に立たされている。
8月29日(焼肉の日)に新聞広告を掲出し和牛の消費拡大を図る。
その広告がこちら。
色んな人達が焼肉を楽しんでいる様子が描かれていますが、実はこちらこのようにホットプレートの下に敷いて焼肉を楽しめるということなんです。
焼肉の油でテーブルが汚れるのを防ぎます。
年に1度の焼肉の日に家庭での和牛の消費を促す狙いです。
こうしたキャンペーンを打つ理由が和牛需要の減少です。
こちらは最高級の黒毛和牛にこだわったステーキとハンバーグの専門店です。
しかし…
ミート矢澤 五反田本店の山影誠さん、
お客様は100%には戻っていない。
緊急事態宣言で営業短縮したので、その時は大体半分くらい、50%。
通常であれば大行列ができるお店ですが、今は10席減らしたテーブルにも空席が。
テイクアウトやデリバリーを始めて営業を続けていますが客数は以前の8割ほど。
2度目の営業時間短縮を受けて今後の客足に不安を感じています。
緊急事態宣言の解除があってまた自粛要請。少し波は落ちている。
さらに和牛の需要に大きな影響を与えているのが訪日観光客の減少です。
和牛は訪日観光客に人気の食材でしたが新型コロナの影響で来日する観光客数は99.9%の減少。
その需要もほぼゼロとなってしまいました。
需要の減少で和牛を保管する倉庫で異例の事態が起きていました。
JAグループの倉庫を訪ねると…
JA全農の畜産販売課、五十川豪課長、
牛の枝肉の保管庫。
全国から枝肉が来て保管・カットする。
こちらは三重県のブランド牛、松阪牛。
こうしたA4・A5ランクの和牛だけを扱っています。
その在庫の量が1年前と比べて2割ほど増加。
棚に収まらず通路に積まれた段ボールも…
最も深刻なのがロースやヒレといった高級部位の在庫です。
在庫は7月末時点でロースで2倍くらい昨年と比べて増えている。
外食でステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼きに使われることが多いのでどうしてもこの辺(高級部位)の需要が少し落ちている状況。
和牛の卸売価格は4月時点で2割以上下落し過去5年で最安値に。現在は持ち直しつつありますがそれでも1割ほど安い状況です。
価格下落は和牛を育てる牧場の経営も直撃します。
小川牧場の小川博信代表、
外食産業の影響を受けて売り上げが2~3割落ちている。
およそ180頭の肉牛を育てるこの牧場では1頭あたりの出荷価格がコロナ前の150万円程度から120万円程度に下落。
これでは経営が成り立たないと嘆きます。
子牛の仕入れ値がだいたい90万円。
経費が50万円かかるので140万円で売れないと元が取れない。
120万円では20万円の赤字が出る。出せば出すほど赤字になる状況。
JA全農(全国農業協同組合連合会)では焼肉の日のPR以外にもツイッターを使った和牛のプレゼントや特別価格で和牛を購入できるキャンペーンなどで和牛の消費を促したい考えです。
これまで和牛を食べていただく機会は家庭では少なかった。
そういう機会をこれから増やしていかないといけない。