近頃、焼肉店などである肉の人気が高まっています。
その理由は何でしょうか?
株式会社夢屋
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東京・神田の焼肉店「罠」。
炭火で焼かれていたのは…
「何の肉?」
イノシシ。
さらに、
ウズラ。ウズラの半身焼き。
ワイルドな感じ。
ここはシカやイノシシ、野鳥など野生動物の肉、ジビエの専門店。
近年、このジビエの人気が高まっているといいます。
情報サイト「ぐるなび」に掲載されているジビエを扱う飲食店はここ4年で2.6倍になりました。
ジビエの飲食店を営む夢屋はこの焼肉店の他、洋食店などジビエ料理店10軒を展開しています。
今回は夢の飲食店で人気のジビエ料理ランキングを紹介。
ブームの理由に迫ります。
6位~10位
6位 | ジビエカリイ |
950円 | |
7位 | 青首鴨のロースト |
1,598円~ | |
8位 | ジビエつくね |
486円 | |
9位 | 熟成雉のブレゼ |
1,706円~ | |
10位 | イノシシのしうまい |
518円 |
まず6位から10位。
熟成雉のブレゼ
9位は熟成雉のブレゼ。
キジの肉を蒸してクリームソースで仕上げた一品。
ジビエカリイ
6位のジビエカリイはお酒の〆にぴったりの人気メニューです。
ジビエを日替わりで数種類、とろけるまで煮込んだカレー。
この日使われていたのは…
夢屋の中尾健児さん、
シカ、イノシシ、クマが入っている。だしがジビエは出やすい。クマは特にそう。だしをうまく出すように気をつけている。
野生動物
年々増えているとみられる野生動物。
理由のひとつがハンターの減少です。後継者不足などを理由に全国の狩猟免許所有者はピーク時の4分の1、約20万人にまで落ち込んでいます。
野生動物が農作物を食べてしまうことも多く、2016年度は約172億円の被害が出ています。
ジビエの消費が広がれば野生動物の捕獲数も増えるのではないか。そんな狙いから国も消費拡大を呼びかけています。
1位~5位
1位 | 蝦夷鹿モモ肉のタルタル |
918円 | |
2位 | 天然鹿セット |
1,219円 | |
3位 | ジビエのパテ |
810円 | |
4位 | 兎のグラチネ |
1,382円 | |
5位 | 蝦夷鹿スペアリブ |
734円 |
続いてトップ5。
鹿肉
1位、2位、5位にはジビエの中で最も捕獲頭数が多い鹿肉の料理がランクインしました。
脂が比較的少ないというのが特徴。
その味は?
思ったより臭みがなくて食べやすかった。
ジビエを食べる人は確実に増えているものの、野生動物を捕獲する猟師がまだ十分な収入を得られていないという課題もあります。
実際の狩猟でとられるものの9割は捨てられている。猟師という職業だけでは生活できないのが現状。売る先がないのが問題。
江口政継さん
こうした中、猟を仕事とする人を増やそうと夢屋は雇用にも乗り出しています。
猟師の江口政継さん、夢屋の社員として契約し猟を続けています。
箱わなと呼ばれるもの。えさを食べに入ってワイヤーに触れると扉が閉まる。これでもう出られなくなる。
中に入っているのはエサとなる米ぬか。
江口さんは福岡県内8ヶ所に箱わなを仕掛け、イノシシや穴熊などを捕獲しています。
ほかの罠も見に行くと3頭の子供のイノシシがかかっていました。
今は子供でも放おっておけば繁殖を繰り返し被害を与える可能性があります。
本当に深刻、イモ類は根こそぎ持っていく。ここ何年かで農家をやめた人が何人かいる。
捕えたイノシシはすぐに処理をして出荷。こうすることで野生動物の駆除と流通網の確立、両方を実現し、猟師の収入の安定にもつなげられます。
広がりを見せるジビエ人気。その裏には野生動物が増える中、消費を根付かせようという思いがありました。