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[WBS][北京オリンピック×WBS]スノーボード 日本メーカー 世界に挑む![ヨネックス株式会社]

2022年2月11日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

平野歩夢選手の足元を支えるのがアメリカのブランド「BURTON」です。

一方、こちらのボードは先端の形が少し変わっていて平らになっています。これは実はある日本のメーカーが今回のオリンピックに向けて開発した形状です。後発ながら世界市場の頂点を目指す日本の技術を取材しました。

スノーボード開発で世界に挑戦!

千葉県柏市にあるスポーツ用品店「アルペンアウトドアーズ フラッグシップストア 柏店」。

スノーボードコーナーを覗くと早速、平野選手の金メダル効果が現れていました。

お客様は…

最近はやっていないが、さっき金メダルとったのを見てスノーボードやりたいなと。

五輪見てすぐに滑りに行きたくなった。あすスノボに行く予定。

こちらの店では今シーズン、ボードの売り上げは前のシーズンに比べて1.5倍に。

アルペンアウトドアーズ 柏店の尾形祐介さん。

アウトドアのレジャーで密になりにくいということもある。

今年は雪も多く降っていたり、オリンピックもあり、スノーボードの売り上げは好調に推移ししている。

しかし、店頭に並ぶボードのメーカーを見るとアメリカのBURTONにオーストリアのHEADなどその多くが欧米のメーカー。平野歩夢選手が使うのもBURTONです。

その牙城を崩そうと挑んているのが日本メーカーのヨネックス。

オリンピックで選手が多く使っていて売り上げが伸びている。昨年比で倍以上。

今大会、ハーフパイプ種目でヨネックスのボードを使用しているのは冨田せな選手や戸塚優斗選手など男女4選手。その全員が決勝に進みました。

東京に本社を構えるヨネックス。バドミントンやテニスのラケットでは世界的なブランドです。

しかし、スノーボード事業に参入したのは1995年と後発メーカー。強みとする技術は…

ヨネックスの篠良太さん。

ボードには木材を使うのが一般的。

当社はバドミントン・テニスラケットのカーボン成型技術を生かしスノーボードを製造。

独自のカーボンを芯材として利用しています。軽くて反発性が高いのが特徴。高く飛びやすいボードを開発しました。

さらに板の先端の形状にも秘策が…

一般的には先端の形状は丸いが今回のモデルは四角い形状を採用。

左がヨネックスのこれまでのモデル。先端は丸みを帯びています。しかし、今回新たに投入したものは先端が四角い形状に。

実はこれ、得意のラケットのかたちからヒントを得たものです。

ヨネックスのラケットは他社の製品に比べかたちが四角いのが特徴。

ボールが最適に飛ぶスイートエリアを増やす効果があります。それをボード作りにも取り入れました。

四角い形状にすることで表面積が広がり、着地の際の安定性につながる。

バドミントンのラケットのシェアでは世界No.1のヨネックス。

しかし、スノーボードは日本と中国、韓国のわずか3ヵ国の展開です。

選手の活躍を追い風に世界へ挑む考えです。

五輪は世界中の人が見るスポーツの祭典で効果が大きい。

当社の板でより高く、見ている人を魅了する滑りでいい結果が出ればと。

そして、2月10日に行われたスノーボード ハーフパイプ女子の決勝。

冨田せな選手が登場。ヨネックスのボードの文字が高々と宙を舞います。

この種目、女子としては初の表彰台、銅メダルを獲得。

とてもうれしい。

オリンピックに出るのにたくさんの人に支えてもらった。

たくさん感謝の気持ちを伝えられたら。

2月11日の男子決勝。戸塚優斗選手は予定していた大技を繰り出すことができず惜しくも10位でした。

悔しい。練習して勝てるライダーになりたい。

冬季五輪ではヨネックスブランドとして初のメダルで大変喜んでいる。

今後、北米・ヨーロッパにヨネックスのカーボン技術の良さ、高性能を認知してもらえるように取り組んでいく。

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