かつて世間を騒がせたあの場所がいまは観光スポットへ生まれ変わりました。
八ッ場ダム工事事務所
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群馬県長野原町、山間の静かな町です。
そこに現れたのはヘルメット姿の大行列。週末には約300人が訪れます。
「今日はどちらから?」
兵庫から。ホンマにレア!
遠くからでも訪れたい滅多に見られないものとは?
行列の先、そこにあるのは建設中のダム。実はこれ八ッ場ダムの建設現場を無料で見学できるインフラツアーです。
上から見下ろせば働く人も大型の重機もまるでミニチュア。
普段見られない景色に子供たちも興味津々です。
全部かっこよかった。
ダムは青い線に沿って建設されます。高さ116メートル、横幅約290メートル。貯水量は約1億トンです。
大規模ダムの建設現場を見られるのは、いま八ッ場ダムだけとその珍しさから人気となりました。
ダム女
このインフラツアーに魅了されている人たちがいます。
きょうはダム巡りの日。
「この後、ダムを何ヶ所まわる?」
3くらい。
今まで30くらい。「ダム女」。
ダムが好きな女性、いわゆる「ダム女」です。
有料バスツアー
さらに有料のバスツアーで訪れれば間近でダムの建設現場を見ることができます。
ツアーの参加者は、
上で見て小さく見えていたものが近くに来たら圧倒的。ニュースの世界だったのが少し身近に感じて社会的には大事なことだった。
観光客からの反響に意識が大きく変わったといいます。
八ッ場ダム工事事務所 地域振興課、藤枝達也課長は、
われわれも造ればそれでいい。できればそれでいいで。PRが不足していた。公共事業の必要性、役割を知ってもらいたい。必要なんだと感じてもらいたい。
跡見学園女子大学
[blogcard url="http://www.atomi.ac.jp/univ/"]
さらにこのインフラツアー、ガイドを担当しているのは女子大生なんです。
東京の跡見学園女子大学がダムを軸とした観光ツアーを企画し地域の活性化に協力しているのです。
跡見学園女子大学
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いまや観光名所となった八ッ場ダムですがここに至るには長い道のりがありました。
八ッ場ダムは治水対策を目的として今から65年前、建設計画に着手しました。その後、長きに渡る反対運動や和解、旧民主党政権時の建設中止などを経て現在は2019年度の完成を目指し建設が進んでいます。
ダム湖の下に沈む地域には歴史ある温泉街、川原湯温泉が含まれています。温泉街はダムの建設に伴って2016年、高台に移りました。
移動に伴って旅館 丸木屋を継いだ樋田泰彦さん、育った場所がなくなることには複雑な感情があるといいます。
緑のショベルカーのあたりに友達の家があってよく遊んでいた。日に日に自分が住んでいた街が様変わりしていくのに寂しさがあった。
現在はダム人気で温泉を訪れるお客様も増加。地域を翻弄してきたダムが今ではチャンスを生み出しているといいます。
話題性で来ているお客様もいるがダム完成後もお客様を減らさず継続して来てもらえるように地元としてもPRしていきたい。