山佐時計計器株式会社
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1965年、日本が高度成長に沸き、新三種の神器「カラーテレビ」「クーラー」そして「自動車」が人々の憧れだったこの年に、後のロングセラー商品が誕生します。
それが「万歩計」です。
当時は時計のような形で腰につけて歩きました。
実は「万歩計」と呼ばれるものはあるメーカーのものだけ。その他は「歩数計」と言います。
山佐時計計器株式会社の加藤研3代目社長(46歳)は、
弊社の登録商標で、ほとんど「一般名詞」みたいな形。「万歩計」と書いてあるのと「歩数計」と書いてあるのでは、やはり「万歩計」を手に取る。
発売から51年。販売数約1億個。万歩計のロングセラーの極意とは?
万歩計
1942年創業の山佐時計計器株式会社。工業用の計測器などを作る小さな会社に突如転機が訪れます。
1963年、創業者、加藤二郎さんの元を医師の大矢巌さんが訪ねてきました。
大矢巌医師は初対面の加藤二郎社長に対して、突然机を叩いてこう言いました。
歩数を測る機会を作ってください。
当時、自動車が急速に普及。食の欧米化も進んでいました。
日本人の健康に危機感を持った大矢巌医師が始めたのは「1日1万歩運動」。普及には「歩数を測る機械」が必要と考えました。
測ることに関してはいろいろやってきたので、、なんとか「歩くこと」を測ってみようと。
試作品
目を付けたのが時計の振り子の仕組みです。歩く振動で振り子を動かすことで歯車を回転させ、歩数を計測することを思いつきます。
社員たちは試作品をぶら下げ、毎日本社の周りを歩きました。同時にカウンターで歩数を測ったが実際の歩数と試作品には大きな誤差がありました。
すり足で歩く人、歩幅が狭い人、いろいろいる。やはり正確に測るのが非常に難しかった。
膨大な誤差のデータをものにバネの強さなど細かい改良を重ね、2年後ついに日本発の歩数計「MANPO-METER(万歩メーター)」が誕生。
初任給3万円の時代、2,200円は高級品でしたが大ヒットとなりました。
商品開発
だが1980年台後半、危機が。独占状態だった市場に大手企業が続々と参入。売上は落ち込みました。
山佐時計計器株式会社の現在の本社にその危機を救った商品があるといいます。
2016年10月に引っ越したばかりのオフィスを訪ねてみると、古い万歩計の山が。
「マイカロリー」という商品。約100万台販売した。
1988年、世界初、消費カロリーを計測する万歩計を開発し大ヒット。売上を回復しました
実は山佐時計計器株式会社が今までに発売した万歩計は約350種類。
その開発力を支えているのが毎月社長が参加して開かれる開発会議です。
サングラスをかけて目の前に歩数が出てくる万歩計。
猫ちゃん専用の万歩計を作ったらニーズがあるかもしれない。
牛や犬用の万歩計など毎年約100出される企画から商品化されるのは1つか2つ。
その中でヒットするのは、わずか2割です。
山佐時計計器株式会社だけが知るロングセラーの極意とは?
100発100中はありえない。失敗を次の商品にいかす。とにかく新しい商品を作って世の中に送り出す。