皆さんは中古品に対してどんなイメージを持っているでしょうか。
専門店やアプリなどによって中古品の売り買いが当たり前のようになっていることから拡大を続けているのがリユース市場です。今年は3兆円の大台を達成すると予測されています。
SDGsの流れにも乗り、さらなる成長も期待できることもあってかこのリユース市場に大手家電量販店や通信キャリアも参入しています。
大手ならではのサービスで差別化を図ります。
リユース商品3兆円市場へ!ヤマダ"国内最大規模"工場
ヤマダアウトレット高崎店、アウトレット品や下取りなどで買い取ったリユース品を専門に販売する店舗です。
驚きなのはリユース品の見た目と価格。とても中古品とは思えないきれいな状態の上、価格を見てみると8キロサイズの洗濯機が3万円台、通常の半額以下です。
冷蔵庫も容量500リットル台が9万円台とこちらも半額以下となっています。
お客さん

半額以下くらいで、そこは魅力。
お客さん

すごく使えそうで、種類もいっぱいある。まだまだ使えるのかな。
長く使えるのかなというのはあるが、ヤマダデンキなので大丈夫かな。
中古家電の販売というと保証がなく状態の良いものだけを買い取り、そのまま販売するというのが一般的ですが、ヤマダのリユース家電の売り方は全く異なるといいます。
その実態を取材するために田中瞳キャスターが向かったのは…
田中瞳キャスター

ヤマダのリユース工場に来ています。国内最大規模ということですが中ではどういった作業が行われているのでしょうか見てきます。
ヤマダ東日本リユースセンター群馬工場、全国各地の店舗で買い取った白物家電などをこちらの工場で点検・分解。そして部品のひとつひとつを手作業で洗浄していきます。
田中瞳キャスター
最近は洗濯機に洗濯槽クリーナー機能が付いているが?

ヤマダホールディングス
東日本リユースセンター群馬工場
我妻恒さん

このようにきれいにはならない。
洗濯槽は水がたまる場所が決まっているので、水がたまらない部分は必ず汚れが残ってしまう。
汚れが酷かった中古洗濯機も強力な洗浄機を使い、作業で細かい部分を仕上げるとこの美しさに。
見えない部分や普段掃除をしないホースの仲間で丁寧に洗浄し、汚れに関してはほぼ新品と変わらない状態に仕上げるといいます。
さらに消耗品は新品に交換。
修理に必要な部分があればコストがかかっても直します。
ヤマダホールディングス
東日本リユースセンター群馬工場
我妻恒さん

中心部分なので部品の値段もかかってしまうが、ちょっとした異音、ささいな音でも確実に替えていく。
こうして熟練のスタッフたちにより洗浄・修理されたものだけをヤマダのリユース家電として販売しています。
さらに販売する際にはお客さんを安心させるサービスも付きます。
ヤマダホールディングス
清村浩一執行役員

販売するときは最長2年の保証をつける。
リユース製品であっても新しい命を吹き込んで、新品同様にお客様に渡す。
お客様はヤマダがやっている信頼で安心して2年以上利用できる。
従来のリユース製品、中古品と異なる製品を世に出していると思う。
ヤマダは品質への自信の裏付けとして2年間の保証をつけ、新しいリユース市場をつくろうとしています。
ドコモもリユース市場参入!安心感売りにシェア拡大狙う
こうした取り組みを始めているのは家電量販店だけではありません。
NTTドコモはお客さんから下取りしたスマートフォンの一部を認定リユース品として3月からオンラインで販売。
NTTドコモ
山本浩史さん

きれいな状態に見えるが全部中古のスマホ。
取り扱っているのはiPhone10など3種類。一定の検査基準をクリアした製品だけ販売する仕組みで商品に目立った傷や汚れは見られません。
価格は最も安いもので2万円台からと発売当初の3分の1程度。
故障などが起きた場合に修理や端末の交換をしてくれるサービスにも加入できるなど新品同様の安心感を売りにしています。
NTTドコモ
山本浩史さん

お客様は誰かが使ったスマホを使うのは心配とか、傷があるんじゃないかという不安がある。
われわれが責任を持って検査したものをお客様に届けるのは安心感を持って中古スマホを手に取ってもらえる。
こうしたサービスはauやソフトバンクもすでに始めていて競争が激化しています。
その背景にあるのが中古スマホの需要拡大です。新規機種の価格が高騰している中、中古スマホの所有率は2年前のおよそ2倍に。
中古スマホの販売を通じてシェアの拡大を狙っているのです。
NTTドコモ
山本浩史さん

そこそこの状態でも新品より安く買いたいというお客様は購入するチャンネルが限定的だった。
通信キャリアが中古市場の販売に乗り出すことでドコモを契約する人が増えることにつながればいい。
こうした大手の企業によるサービスでリユース市場はさらに拡大すると専門家は指摘します。
リサイクル通信
瀬川淳司編集長

企業側にとって消費者に多くの選択肢を提供できるため参入企業が増えている。
いままでは一部の気にしない人だけが利用していたが、大手企業がリユース品を販売する流れの中、安心して消費者が買える環境が整ってくる。
市場はより一層拡大するのではないか。