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[WBS]4度目の緊急事態宣言!"従えない店"その理由[やきとんユカちゃん新橋店]

2021年7月12日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

7月12日から東京都は4度目の緊急事態宣言に入りました。

今年1月から8月までのカレンダーですが東京都の場合、ほとんどが赤で示した緊急事態宣言と黄色で示したまん延防止等重点措置で埋め尽くされていることが分かります。

これに今回の緊急事態宣言の期間も合わせると8ヵ月のうち、実に86%を占めています。

緊急事態宣言の効果に疑問符も付き始める中、夜の街は今どうなっているのでしょうか。緊急点検しました。

やきとんユカちゃん新橋店

[blogcard url="https://www.instagram.com/yakiton_yuka_chan/"]

山口博之記者、

午後8時をまわった新橋駅前です。駅に向かう人の流れはありますが、飲食店街は飲食店の看板が輝いています。

午後8時、新橋の駅前を歩いてみると、

閉まっている店もありますが、営業中と見られる飲食店が結構あります。

こちらのお店、「お酒出します!」と大きく掲示しています。朝5時までということです。

緊急事態宣言の発令により、まん延防止等重点措置で認められていた夜7時までの酒の提供が停止に。この方針に従う店がある一方、酒の提供を続ける店も少ない内容です。

「やきとんユカちゃん新橋店」は7月11日までは政府の要請に応じていましたが、7月12日から方針を一転。午後8時以降の営業と酒の提供を再開しました。

店とお客様に許可を得て、店内の様子を定点観測してみると…

午後8時を過ぎても店内は賑わっています。

お客様からは緊急事態宣言の効果を疑問視する声も。

4回目ですよ?マンネリ化してしまう。

こちらの店はCO2モニターを導入するなど感染対策を強化。こうした費用に加え、これまでの協力金もまだ振り込まれておらず資金繰りが限界に達したといいます。

やきとんユカちゃん新橋店の藤嶋由香オーナー、

累計で約1,000万円赤字。協力金ももらえない。「従え」と言われても生きていけなくなる。

苦渋の選択で今回は店を開けることにした。

融資の限度額もあるので、これ以上借りられない。

東京・中野にある居酒屋「第二力酒蔵」も…

今週はひとまずやる(通常営業する)。

前回は閉めていたが今回はやることになった。

創業およそ60年の老舗。

お客様のおよそ8割が常連で1週間先まで予約が入っています。

前回の緊急事態宣言時は酒提供なしの時短営業を試みたものの、結果的に出費のほうが大きく途中で休業せざるを得なくなりました。

今回はどうしたらいいのか。

第二力酒蔵の黒田哲郎店長、

今回は悪いけど、そろそろやらないと経営が厳しい。

もちろん複雑。

60年という歴史があるから、率先して閉めなければという気持ちもある。

経営的にもそろそろ我慢できない。これから1年後どうなっているか。

悩んだ末、今回は酒を提供した上で夜10時まで営業することを決めました。

売り上げが半分になると従業員のリストラではないが、働く時間を短くしたり、苦労をさせなければいけない。

夜の人の流れを止めるのが酒というのはすごくよくわかる。

本当に早くみなさんにワクチンが回って会食が出来る時代が来ればいい。

先程のやきとんユカちゃん新橋店、悩みながらもあえて酒を提供するのにはほかにも理由があるといいます。

酒が一切NGなのは世話になっている酒販店に対しても、酒販店の補償がない中で自分だけ店を閉める選択肢をどうしても持てなかった。

この店は10年以上、同じ酒の卸売業者と取引をしていて信頼関係を損なうことはできないというのです。

先週、酒類の取り扱い免許を交付する国税庁などが酒を販売する業界団体に対し、要請に従わない飲食店との取引を停止するよう求める文書を出しました。

政府による圧力と取れるこの文書はまだ撤回されていません。

この文書について卸売業者に聞くと、

コロナ前が100%だとすると、20~30%の売上げしかない。

卸業者に対していじめというか、非常に厳しいところに首を締めつけられている。

酒を販売する業界団体「全国小売酒販組合中央会」は7月12日に自民党本部を訪れ抗議。酒の卸売業者には取引停止分の補償がないため支援を求めました。

一方、このまま酒の提供を続けた場合、感染者数はどうなるのでしょうか?

国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授、

感染者数は確実に増えていくと思う。

飲食店はある意味、象徴的にとらえられている。

そこさえ抑えればなんとかなると思われているなら効果は限定的。

他の対策を講じないでやった感があるなら感染者数は減らないと思う。

人流に対する直接的な対策が取られていない。

実際、7月12日の渋谷センター街の人出を見てみると前回の緊急事態宣言が始まった4月25日と比べて23%増加。

東京の新規感染者数も502人と23日連続で前の週の同じ曜日を上回っています。

緊急事態宣言の効果は限定的との指摘も出る中、ワクチンの接種がより重要になります。

1~2ヵ月の間で感染者数を抑える要因だったワクチン接種がやや鈍っている。

しばらくの間、そう簡単には感染者数は減らない。長い期間抑え込めない可能性がある。

感染の多くを占める20~50代の人たちはまだワクチンを打ってないので、そういう人たちは感染者数が増えてくる。

40~50代の人たちの中でも重症化しやすい人が出てくることになる。

今の日本を海外メディアはどう見ているのでしょうか、ウォール・ストリート・ジャーナルの東京支局長、ピーター・ランダース氏は、

一番最初に出た緊急事態宣言は非常にインパクトのある言葉だったが、今回4回目で危機感が薄れて、いつも通りのパンデミック下の生活を続けている。

緊急事態といったらロックダウンと同じと勘違いしている海外の人が多い。

一方、緊急事態宣言の中、オリンピックが東京などで無観客開催になったことについては、

オリンピック開催は危険だ、やめた方がいいという論評が海外やアメリカメディアではかなりある。

海外で緊急事態とは外出禁止や店の閉鎖を伴う最高レベルの非常事態と受け止められています。

しかし、日本ではそこまで厳しい措置ではないため日本と海外で緊急事態の意味合いがずれているというのです。

本当に緊急であればすべてのスポーツを内外問わずやめた方がいいと思うが、日本はそこまで緊急ではないという裏返し。

緊急事態ではなく、3分の1緊急事態、半分緊急事態。

日本にはさらに上の本物のフル緊急事態みたいな概念が必要かもしれない。

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