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[WBS][緊急事態宣言下で…]二次感染を防ぐ舞台裏!

2020年4月24日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

シリーズで伝えている「緊急事態宣言下で…」。

今回は新型コロナウイルスと戦う最前線でありながら、ほとんど知られていない消毒業者の舞台裏です。

コロナウイルス消毒センター

緊急事態宣言下、静まり返った東京・新宿。

新型コロナ感染拡大の影響で需要が急増しているのが消毒業者です。

コロナウイルス消毒センターの春日富士代表、

お客様から依頼が入ったのは図面上でいくとMA5。

この日、消毒を行うのは都内にあるビルの一室。

特定の室内で感染者が出たので完全な陽性確定の消毒案件。

オフィス清掃業の春日さんが同業の20社と協力し、2月に立ち上げたのがコロナウイルス専門の消毒団体です。

現在60人が24時間態勢で作業にあたっています。

自らの二次感染を防ぐため今貴重な防護服を着用しなければいけません。

さらに特殊な防じんマスクも装着。

隙間の無いよう養生テープで徹底的に塞ぎます。

この日、初めて現場に向かう作業員は、

ちょっと緊張しています。

感染した時のリスク、致死率とか重体になる確率も含めると中途半端な装備、知識でやるべきではない。

こちらではノロウイルスやSARSを知る専門家が監修したマニュアルを使用。

敵を知ること…コロナウイルスの様々な特徴も記されています。

4種類の薬剤

消毒には4種類の薬剤を使います。

次亜塩素酸系の消毒効果が高い薬剤。

布や電子機器などはエタノール系のアルコール。

主に屋外は残存性が高い別のアルコール。

消毒後の抗菌剤で効果を持続させます。

次亜塩素酸ナトリウムはイメージでいうとハイター。

消毒効果が高い漂白剤が入っている。

布とかにかけると色が変わるので使えない場所がある。

その場合はエタノールに切り替える。

現場へ

春日さんが最終確認し、現場へと向かいました。

いま企業や公共施設等からも依頼が殺到。

問い合わせだけで1日500件を超える。

2ヶ月あまりで370件以上の消毒作業を行っていますが、今ある問題も…

3月中旬から都内各所のクラスターが増えて、現在は一般家庭の受け入れを一時停止せざるを得ない事態。

最近はクラスター(集団感染)が発生し、死者が出た高齢者施設などの現場が増えているのです。

4月13日に消毒を行った時の様子です。

緊張の中、11人が作業にあたりました。

では、実際に感染者が出た場合、企業などはどうすればいいのか?

感染症に対応している協会に話を聞きました。

公益社団法人日本ペストコントロール協会の茂手木眞司理事、

指定感染症なので病院から必ず保健所に届ける義務がある。

いつどういう行動をしましたか?というヒアリングがあり、濃厚接触をしたか判断する。

「消毒した方がいい」という時には保健所から消毒の指導があり、それを受けて業者に頼んで消毒する。

しかし、実態は清掃業が主で消毒業者の公的な資格や認可制度はないのです。

行政というか自治体の保健所によって対応が違う。

何かしらの基準、一般の方々に対してしっかりした仕事をする業者の線引きは必要。

そして夜を迎え、

1、5、6階同時に作業するので約10名ずつの班に分かれてやる。

消毒する場所が広範囲に渡るため作業員の半数、30人が集められました。

出発して30分、現場に到着。複数の企業が入るオフィスビルです。

実は今回、感染者が何人いて、どこでどう動いていたかなど情報を得られないままの作業が強いられます。

風評被害を含めてマイナスに働くことの方が多いからだと思う。

マイナスに働かないような全体の風潮に変えていかないと隠していく状況は変わらない。

現状では詳細を明らかにしない企業や施設も多くあるといいます。

作業は2時間あまりで終了。

二次感染を防ぐための過酷な戦いが続きます。

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