寒い季節に食べたくなるおでんには欠かせない「ちくわ」や「かまぼこ」などの練り製品の値上げが相次いでいます。
原料となる魚のすり身の価格の上昇に加えて、大きな要因となっているのが原油高による物流コストや包装資材の高騰です。
11月25日に発表されたレギュラーガソリンの全国平均価格も168.7円と2週連続で低下はしたものの依然として高止まりが続いています。
私たちの身近なのものの価格に影響を与えている原油高ですが、こうした状況を逆にチャンスと捉える業界の工夫に密着しました。
原材料の価格高騰で…逆境に負けない100均の挑戦
全国に1,500店以上展開する100円ショップ「ワッツ」。
店内を覗くと商品にある異変が…
ワッツの商品部、森本大輔さん。
昔はこのサイズも100円で販売できていたけれど今はこのぐらいが実情。
もともとこちらのサイズを100円商品として販売していました。
しかし、原材料の価格高騰を受け、値上げをしない代わりにサイズを6分の1ほどに小さくせざるを得ませんでした。
100円(税込み110円)商品だけでは利益を獲得することができないので、そういった商品を販売継続していくことも困難になる。
そこでワッツが取った対策が…
底もちゃんと付いていて330円で販売している。
100円ではない高価格の商品です。
もともと販売していたサイズに100円商品にはなかった中敷きを追加。
さらにデザイン性も高めるなど付加価値を付けることで高価格商品として販売しています。
こちらのお風呂の椅子も100円商品として販売もしていますが、新たにサイズを大きくしたものも開発。
厚みもプラスして丈夫にすることで価格は550円に。
本当にオーバーな話、100円の商品が売り場から半分はなくなるのではないか。
原材料の高騰を受けて100円ではない商品数は1年前と比べて1.3倍に増えているといいます。
100円ショップとして運営しているので「できない」ばかりではなく、粗利額も確保できる商品をこれまでの商品とは別でしっかり品ぞろえして、その分100円商品を維持していくために還元できれば。
店名にも入る「100円ショップ」という業態。
原材料が高騰しても130円、140円といった具合に安易に価格に転嫁できない苦しい事情もあります。
そこで100円商品の販売を守るためこんな工夫も…
もともとプラスチックだけで作られていたけれど、こちらのストローだと植物由来の原料を配合。
価格が高騰している石油由来の原料の使用を少なくし、植物由来の原料に置き換えました。
環境に優しいだけでなく、100円商品としての販売も維持できるといいます。
ワッツの本社。
今こうした原材料高騰に立ち向かうために日々新たな商品の開発を進めています。
こちらは今週発売した新商品。
同時充電できるケーブル。
3種類のUSBコネクタが付いた充電用のケーブル。
さまざまな電子機器を3台同時に充電可能です。
1本ずつ100円商品として販売しているものを3本まとめるという新たな付加価値を加え330円に。
原材料の価格が上がっても利益を上げられる商品の開発を急ぎます。
原材料の価格が高騰したときに、それを補える高額商品は常にアンテナ張って探していくところが求められる。
楽しい。
これも1つのチャンスと捉えて前向きに取り組んでいけたら。