「ケーザイのナゼ?」です。海上輸送などで活躍するコンテナ。丈夫なことから倉庫などにも使われていますが、最近は店舗としての利用も増えていて外食チェーンも活用に乗り出しました。
コンテナ店舗が続々
山梨県南アルプス市のコーヒーショップ「ローステリア オーチャード」、豆の持ち味を引き出す自家焙煎したコーヒーが自慢です。店内は白を基調とした明るい雰囲気。そして外観にも特徴が。
ローステリア オーチャード
佐野真さん

こちらです。
実はこの店、海上輸送などで使われるコンテナを活用した建物なんです。
山梨県昭和町の美容室「カナン」、一見普通の建物に見えますが4つのコンテナを組み合わせて店舗にしています。カットスペースには自然の光が入るように大きめの窓を採用。さらに…
カナン
池谷大智さん

こちらがエステルーム。
店内は意外と広く、エステルームも完備しています。
本来は物を運ぶコンテナですが、店舗としての利用も増えています。なぜなのでしょうか。
コンテナの販売を手掛ける飯島優さんに聞きました。
イイジマコーポレーション
飯島優社長

安いし工期も早い。
20フィート(約6m)1つで店舗にすると120万円から200万円あれば開業可能。
店舗の元となるのが海上コンテナ。中は8畳半ほどの広さです。全て中古で中国から輸入していますがその価格は…
イイジマコーポレーション
飯島優社長

前までは20万円ちょっとで買えた。今は大体30万円後半ぐらい。
物流の関係で日本に入ってくる分が少なくなっている。
この1年間で価格は1.5倍以上に急上昇しています。コロナ禍による物流の混乱が続いていてその影響によるコンテナ不足で中古が品薄状態になっているのです。
そうした中、外食チェーン大手のワタミは…
ワタミ
渡邉美樹会長

コンテナを100作る。現在制作中です。
100コンテナを作ってリースをかける。
まずコンテナを新たに発注して製造。そのコンテナを使って店舗を作り、チェーン展開すると発表したのです。
こちらがその店舗、から揚げのテイクアウト専門店「から揚げの天才」です。
ワタミ ブランド広報室
藤岡俊輔課長

ビルイン(路地店)だと2,000万程度の金がかかる。
これ(コンテナ型店舗)に関しては1,000万円強でできる。
コストは圧縮できる。
同じものを工場で大量生産するため短期間で作れ、コストも抑えられるといいます。店内の厨房設備も大量発注でコストダウン。コンテナ型の店舗はフランチャイズによる多店舗展開に大きなメリットがあるといいます。
ワタミ ブランド広報室
藤岡俊輔課長

ビルイン店舗だと理想的な並びにできない。
コンテナ型は生産性の向上、FCには研修店舗と実店舗で同じ形で調理が可能。
一歩にこだわった設計をした。
先月、パチンコ店が自社の駐車場にフランチャイズの店「から揚げの天才 ダイナム 戸ケ崎店」をオープンしました。店舗のサイズはわずか車3台分。このスペースがあれば開業できます。
ただ、から揚げ専門店は1年間で4割増えていて過当競争を懸念する声もあります。
ワタミはなぜこのタイミングで出店攻勢をかけるのでしょうか。
ワタミ ブランド広報室
藤岡俊輔課長

駅前での競合の出店はかなり厳しい。
地方の方が商圏範囲が広く、出店できる用地も首都圏よりも多い。
コンテナ型は撤退という判断になった時に別の場所に移動して再オープンできる。
コンテナ型店舗はトラックに載せ店ごと運ぶことができます。この機動性を生かし、から揚げ空白地帯の地方への出店を狙っています。