外食チェーン大手のワタミは10月5日、国内の居酒屋チェーンを将来的にすべて別の業態に変えると発表しました。
WBSでは波乱の船出となったワタミの舞台裏を取材していました。
ワタミ株式会社
[blogcard url="https://www.watami.co.jp/"]
9月30日、横浜市鶴見区の雑居ビル。
その4階にあるのがワタミが全国でおよそ150店舗を展開する居酒屋「鳥メロ」です。
この日は席はほとんど埋まるほどの賑わい。
店長の佐々木健鉱さんは21歳からアルバイトとしてワタミの居酒屋で働き始め、25歳で正社員になりました。
やって来たのは店のオーナー、高氏主税さんです。
きょうの売り上げは?
すごかった。常連客で満席に。
この日の売上はコロナ前と変わらない20万円超えを記録。
しかし実はこの日が営業最終日。名残を惜しむ常連客が駆けつけたのです。
こちらが平日の様子。新型コロナの影響で売り上げは前の年の4割まで激減。
店を閉める決断をしたのです。
4月からコロナの影響を受けて赤字になって6ヵ月間で黒字に戻すチャレンジをしたが戻らない。
デリバリーやテイクアウトなど様々な手を尽くしましたが赤字を解消できませんでした。
そして午前0時、最後のお客様は週に何度も訪れていた常連です。
ありがとうございました。
お元気で、ありがとうございました。
店を閉めなければいけない現実。
今ようやく終わって寂しい気持ちになった。
佐々木さんは今後、系列店を手伝いながら店長として働ける店を探します。
新型コロナの影響でワタミの居酒屋はすでに80店舗以上閉鎖。
渡邉美樹会長に今後の雇用をどうしていくのか聞きました。
居酒屋がボロボロになると、そのとき雇用をどうするのか。
社員、アルバイトの雇用を守りたいというなかで新しい業態をつくる。
その新しい業態とは…
先月末、ワタミと取引のある銀行や業者を集めた関係者限定のお披露目会が開かれました。
そこに渡邉会長が現れました。
焼肉の和民のキャラクター。
実はここ、初めてオープンする「焼肉の和民」の店舗だったのです。
コロナの中で家族の笑顔が居酒屋ではなく焼肉でしっかりつくることができる。
その確信の中で居酒屋から焼肉に転換することにした。
和民ではコロナ後も居酒屋の市場は縮小すると見ています。
店の看板メニューは…
焼肉営業本部の新町洋忠本部長、
和民和牛の上カルビ。肉の味がしっかり濃い。
その中にサシが入っている柔らかい黒毛和牛。
九州の畜産農家と共同で作る独自のブランド牛。1皿980円(税別)。
さらに居酒屋メニューも取り揃え、家族連れやサラリーマンの取り込みを狙います。
コロナ対応の客席は大きな間仕切りで仕切られ、料理はレーンに乗せられて自動で配膳。
肉を焼くコンロは3分で客席の空気を入れ替えられるものをするなどコロナ対策を施した設備を導入しました。
和牛バラカルビが柔らかくておいしい。
居酒屋というよりはおいしい焼肉屋。
そして10月5日、東京・大田区のワタミ本社。
焼肉の和民の開業を渡邉会長自ら発表しました。
360店舗ある居酒屋のうち3分の1にあたる120店舗を焼肉の和民にします。
今後5年ですべてを転換し、居酒屋和民の看板は国内から消えることに。
居酒屋和民はいまから27年前に私がつくった。
私の人生そのもの。
寂しくないと言えば、それはうそになる。
波乱の船出。
和民は先月、労働基準監督署から是正勧告を受けました。
社員の時間外労働が月175時間に上るなど問題が浮上。
会見終了後、WBSは渡邉会長に取材を依頼、直撃しました。
今、事実関係を調査している。近いうちに第三者委員会を立ち上げる。
しっかりとした第三者のかたに事実を見つけて頂きたい。
事実を提示して頂きたい。
それに対しては120%しっかり対応する。
今の私のスタンス。