大連万達集団(ワンダグループ)
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山東省の港湾都市、青島。
街から見える山肌には「東方影都」、「アジアの映画の都」を意味する四文字が。
アメリカのハリウッドを意識したような看板です。
青島万達東方影都
オープンしたのは世界最大規模の映画基地「青島万達東方影都」。
敷地面積376万平方メートル、東京ドーム約80個分の巨大な敷地の中心に並ぶ四角い建物は全て撮影スタジオ。
総投資額は約7,600億円に上ります。
最大のスタジオは1万平方メートル、水中スタジオは最新式だ。
現在、15棟が完成しています。2018年までに30棟まで増設予定です。
水中撮影などの設備も備えているといいます。
今後、中国映画は毎年100本、海外映画は30本以上の撮影を見込んでいます。
今月から早速、アメリカのハリウッドの新作「パシフィック・リム2」の撮影が始まる予定です。
大連万達集団(ワンダグループ)
この映画基地を手掛けたのは中国の不動産開発大手「大連万達集団(ワンダグループ)」。
創業者は世界の長者番付にも名を連ねる王健林会長です。
この不動産王が次に狙うのが「世界の映画王」の座です。
2016年1月、バットマンやハリウッド版ゴジラを制作したアメリカの映画製作会社「レジェンダリー・エンターテイメント」を約35億ドルで買収。
9月には株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントとの戦略提携を発表しました。
映画製作のノウハウを得るとともにハリウッドへの影響力を強めるのが狙いです。
人材獲得にも余念がありません。
「青島万達東方影都」の責任者は株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント出身でハリウッドを知り尽くした人物です。
青島万達東方影都のパトリック・デンプシー副社長は
ワンダはハリウッドのあらゆる所でヘッドハンティングをしている。ワンダは本気だ。
ハリウッド側にもワンダと組むメリットがあるといいます。
アメリカは中国を「手つかずの市場」と見ている。中国はアメリカで中国映画を上映したい。ハリウッドと中国は利害が一致した関係になってきている。
中国では1年で上映できる外国映画の本数が制限されています。
ワンダと組んで「米中合作」にすれば「中国映画」として上映できる場合もあります。
中国では避けて通れない政府による検閲や様々な手続きもワンダがアドバイスするといいます。
巨大な中国市場になびくハリウッド。
巨額な資金を武器に映画界で存在感を増す中国。
その先に生まれる映画を世界の観客がどう評価するか、結果はまだこれからです。