地域で奮闘する起業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は新潟市からです。伝統的な食品事業のビジネスモデルを独特なアイデアで今のかたちに変えていった企業を紹介します。

麹の魅力 次世代に伝えて!
人口およそ78万人の政令指定都市「新潟市」。

歴史ある商店街の一画にあるこちらのお店「古町麹製造所」。

冬を迎えたいま人気なのが甘酒。
こちらは新潟県産のお米に麹を使用。美容や健康に良いとされ、いま女性を中心に人気の商品です。

ボトルは甘酒とは思えないほど可愛らしく、味はレモン、おしることいった変わり種を含め15種類以上。


そして新たに注目されているドリンクが…

こちらがお米ののむヨーグルトになります。

ヨーグルトと謳いながらもこちらも実は甘酒。

原料はお米と麹にある野菜からとれた乳酸菌を合わせとヨーグルトのようなすっきりとした味わいが楽しめるそう。


全国から注文も相次いでいます。
試飲したお客さん。
すごく飲みやすい。

甘酒があまり得意でない人もこれなら飲めると思う。

この古町麹製造所を運営しているのは和僑商店ホールディングス、現在6社をまとめています。

実は2001年に銀座のおむすび専門店「銀座十石」から事業をスタートしました。

日々食材を探していた創業者の葉葺正幸代表、ここ新潟で出会ったのが麹だったのです。


「お米だけでここまで甘いのか」と、そこに驚きがあり。

麹を作られている方の肌が非常にきれいだった。

こんなに素晴らしいものがどうして広く伝わってないのだろうという思いから事業として取り組みたいと思った。

2009年に麹甘酒専門店「古町糀製造所」を開店。

埋もれている新潟の品をどう"今風"に伝えるか、そこで目をつけたのが麹の甘さを生かした甘酒。評判になりました。


新発見の乳酸菌で新たな風
こちらの建物が甘酒製造の工場になります。

現在はコロナ対策のため中での撮影はNG。

そこでお店の厨房で再現してもらいました。

原料は新潟県産のお米と米麹。


これらを合わせて12時間ほど寝かせます。

糖化が進んだところで味の決め手となる乳酸菌を投入。実はこれ…

古町糀製造所の小畑宏樹社長。
大根の葉を使った漬物から見つかった乳酸菌。

現在も長岡市に古くから伝わる無塩の漬物「いぜこみ菜」。

この漬物からとれた乳酸菌「ヤマコシ株」を加えます。

ヤマコシ株を発見した新潟県農業総合研究所の奥原宏明専門研究員。
ヤマコシ株は粘性があり風味が良いとろこが特徴。

これまで採ってきた県内の約500株の乳酸菌にはない特徴。

ヤマコシ株は別の甘酒に入れ培養させた後に合わせます。

再び半日ほど寝かせると爽やかな酸味の効いた味わいになり完成。新潟県が発見した乳酸菌と米麹を組み合わせた画期的な商品です。

麹は体に良いものなので色んな角度から触れていただくことはすごく価値、意義のあることだと思う。

伝統を"今風"に老舗の復活
地元伝統食文化の再興を目指して和僑商店は新潟県内の伝統食品の老舗を独自のアイデアでいくつも再生してきました。


昨年はコロナ禍でもグループ全体の売り上げは右肩上がりです。

こちらが私どもが引き継いだ味噌蔵になります。

創業117年の老舗味噌店「峰村醸造」。

以前は商品力もなく廃業も検討されていたものの、和僑商店で9年前に経営を引き継ぎ復活したのです。


より若い世代の支持を集めるためにモダンなデザインに改装し、蔵には物販コーナーも設置。たくさんのお客さんを呼び込むことに成功しました。
昔ながらの旨みある味を再現した味噌や味噌を使ったハンバーグにバウムクーヘン、そしてソフトクリームなど新商品を開発し販売。




わずか3年で黒字化しています。

また漬け魚の専門店「小川屋」では34歳の社長が独自の視点で改革。
漬け魚専門店 新潟小川屋の大橋祐貴社長。
昔ながらの店の雰囲気、それを好きだと言うお客様を残しながら改革を進めたい。

通信販売の強化やパッケージのリニューアルなどを行い新たなファンを取り入れています。


我々のような小さなメーカーが一足飛びに海外進出出来ないのが現状。

地元の消費を喚起できることがわかってきたので、まう私たちは売り上げを地元という部分でしっかりと伸ばしていきたい。
