日仏共同プロジェクト
伝統の街、京都。2016年、新緑の5月。
ある場所に京都の伝統工芸の企業10社が集まっていました。
色鮮やかな清水焼の窯元や550年の歴史を誇る西陣織、さらに金箔の技を得意とする職人も。
そこへ外国人の一団が入ってきました。彼らは、
ピエールです。プロダクトデザイナーです。
セリーヌです。インテリアデザイナーです。
実はこれ、「フランス人デザイナー」と「伝統工芸の職人」による商品開発プロジェクト。京都市が支援しています。
フランス側は100組以上の応募から選ばれた精鋭10組。
一方の京都の企業は自慢の技を懸命にアピールします。
中でも意外に人気があったのは仏壇仏具の販売店です。創業240年の老舗「京仏具小堀」。
フランスのデザイナーからはいきなんりこんな質問が、
コストダウンできますか?
価格を下げるのですか? 検討します。
話し合いを終えるとすぐデザイナーたちは京都のどの企業と何を作りたいか、その場で商品案を書き始めました。
例えば染色の会社と一緒に防水パンツを開発したいという提案。ターゲットは中間層から高所得者層、販売目標は300着、価格は約1万2,000円円と極めて具体的です。
集まった提案書をもとにどの企業とデザイナーを組み合わせるかを3人で決めていきます。
フランス側は元デザイン雑誌の編集長、フランソワーズさんとビジネスコンサルタントのグザビエさん。
これは単なるものづくりではなく商品開発です。市場のニーズに合わせないといけません。
プロジェクトの仕掛け人、西堀耕太郎さん(42歳)。
値段なしでデザインだけすると、きれいだけど販売できない価格帯になる。
株式会社日吉屋
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上京区にある株式会社日吉屋。
150年、和傘を作り続けています。実は西堀耕太郎さんはここの5代目。
ある製品で海外進出に成功しました。
これは照明器具ですが他と違うところは傘のように開閉できる。
和傘をアレンジした照明器具。いまや世界15カ国のホテルやレストランなどで使われています。
西堀耕太郎さんが家業を継いだのは13年前。当時、株式会社日吉屋の1年の売り上げはわずか約160万。廃業寸前でした。
しかし海外に打って出たことで現在、グループ会社を含め年商は2億円。
このプロジェクトの目的は作品集を作ることではなく、ちゃんと売ろうと本気で考えてやっている。
西堀耕太郎さんが仕掛ける今回の日仏共同プロジェクト。次々と組み合わせが決まっていきます。
こうして出来上がった10組が目指すものは8ヶ月後にフランスで開かれる世界最大級の見本市。
パリのデザイナーと京都の職人の共同戦線。その挑戦を追いました。
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