ふちこの突撃マーケット ビジネス関連 モーニングサテライト

[モーニングサテライト]【ふちこの突撃マーケット】東証再編はベンチャー成長の起爆剤!?[ビジョナル株式会社]

2022年2月22日

モーニングサテライト

マーケットや経済の旬の話題を提供する朝活タイム「ふちこの突撃マーケット」。

今回のテーマは「東証再編はベンチャー成長の起爆剤!?」。東京証券取引所は4月に既存の4市場を廃止して新たに"プライム"、"スタンダード"、"グロース"の3つの市場に移行します。

グロースにはベンチャー企業が多く上場するマザーズから移行しますが東証マザーズ指数を見てみると去年11月の高値からおよそ4割下落しています。市場参加者がその原因として挙げるのが上場する企業の実力不足です。市場再編にはこうしたベンチャー企業に成長を促す狙いがあるといいます。グロース市場に上場する予定の企業を取材しました。

東証再編!グロース企業がカギ!?

東京・渋谷区にあるビジョナル。会員制転職サービスビズリーチの運営会社を傘下に持ちます。

グロース市場にだけ義務付けられているというものを見せてもらいました。それが「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」です。

ビジョナルの北見友見さん。

中長期的な事業や会社の運営を説明している資料。

ビジョナルはスタートアップだが短期的な成長というより中長期的に支援・サポートしてくれる投資家に理解してほしい。

この資料、いわゆる中期経営計画ですがグロース市場では年に1度の開示が義務化されます。実はこれが今回の再編のポイントのひとつです。

去年3月時点でマザーズ上場企業のうち中期経営計画を策定しているのはわずか27%。残りの7割はどういう成長を目指すのかを投資家に伝えていなかったことになるのですが、今後は市場に約束し続けなければいけません。

ビジョナルは去年4月に東証マザーズに上場。初値は公開価格を43%上回る7150円を付けるなど注目度の高さが伺えました。

現在は株主数3,536人、流通株式時価総額は100億円を超えていて最上位であるプライム市場の上場基準を超えている可能性が十分あります。

プライムを目指せる位置にいながらなぜグロース市場を選んだのでしょうか。

「グロース市場をあえて選んだ理由は?」

ビジョナルの南壮一郎社長。

グロース市場は経営としての優先順位を事業・会社の成長に明確においている。

ガバナンスやコンプライアンスもやっていくが、その点は多少緩やかな制度なので。

プライムがどうこういうよりグロースのコンセプトにマッチする。

新市場は上場基準に加えてコンセプトを明確にしています。プライムはグローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向け。グロースは高い成長可能性を有する企業向けとそれぞれに特色を持たせ、3つは横並びの市場という位置づけです。

ビジョナルのほかにもマザーズに上場する会計ソフトのfreee(フリー)もプライム市場への上場に注目が集まっていましたがグロースに以降予定です。

ビジョナルはグロース市場でどう投資家にアピールできるのでしょうか。

この日、市場戦略に詳しい専門家にアドバイスを求めました。

グロースに属する企業としてどんな成長戦略、プラスがあるのか。

グロース・キャピタルの嶺井政人社長。

マザーズでは新規上場基準よりも上場廃止基準の方が緩かった

どういうことが起きていたかというと上場まで頑張って実現したら、その後基準を下回っても廃止にならない。上場企業として残り続けられる状態だった。

例えばマザーズの流通株式時価総額の新規上場基準は5億円以上ですが、廃止基準はそれを下回っていました。グロースではこの2つの基準を揃えたため必然的に成長を促す構造になっています。

今まで以上に上場維持基準が高くなったことでおのずとM&Aで成長を目指したり、自分の会社自身を売りに出す上場ベンチャー企業が増えていく。

なるほど。そういう観点では考えたことがなかったですね。

嶺井さんによると今回の東証再編はベンチャー企業の成長を促すことも一つの目的だといいます。

2013年から2019年に新興市場に上場した企業についてIPO直後の決算期末と3期後時点の時価総額を比較すると平均成長率はおよそ66%、アメリカのナスダックはおよそ116%と差があります。

東証再編はベンチャー企業の成長を後押しするのでしょうか。

グロース市場の誕生はベンチャー企業の成長を大きく促すと思う。

ベンチャー企業の成長が日本全体の市場の活性化につながって、日本から世界で戦える会社が生まれたり、イノベーションが生まれていく。

こういうきっかけに今回の東証再編はつながるのでは。

-ふちこの突撃マーケット, ビジネス関連, モーニングサテライト
-, ,