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[WBS]一流レトランが愛用!?農家を救う「野菜シート」とは?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ビストロ イル・ド・レ

[blogcard url="http://iledere.jp/"]

東京・渋谷にあるフレンチレストラン。

日本を代表する有名シェフ、坂井宏行オーナーシェフがプロデュースする店です。

ここでちょっと変わった食材を使い始めています。料理を彩るオレンジや黄金のシート。

お客様は、

おもしろい。

このシートが見た目もすごくきれい。

食べてみると、

甘みがあってすごくおいしい。

紙かと最初は思ったんですけど、口の中に入れると溶ける。

口の中で溶けるというシートの正体は?

ニンジンのシートとオレンジのシート。

エグゼクティブシェフの工藤敏之さん、

健康志向だし、非常に好きな食材に出会いました。

野菜でできたシート、その名も「VEGHEET(ベジート)」です。

株式会社アイル

[blogcard url="http://vegheet.com/"]

長崎県北西部の港街、平戸市。

野菜シートを製造するアイルの本社があります。社員6人のベンチャー企業。

社長の早田圭介さん(52歳)。父から食品卸の会社を引き継ぎ、3年前に野菜シートの開発に成功しました。

早田さんには野菜シートを開発したある思いがありました。

VEGHEET(ベジート)

この日、地元の農家を訪ねると人参の収穫の真っ最中。

しかし畑には置きっぱなしにされている人参がありました。一体なぜ?

農家の朝長洋子さん、

捨てるんです。売れない。

小さすぎる人参、丸い大きな形をした人参。

これは商品にならない、伸びなかったから。

大きさと形がそろっていないとスーパーには買い取ってもらえないため、そのまま畑に捨て置いてしまうといいます。

これもお金になります。

早田さんはこうしたふぞろいの人参を仕入れています。

農家にとっては人参だけでも1ヶ月で2万円ほどの収入になるそうです。

ありがたい。

早田さんがふぞろいの人参を仕入れられる理由がありました。

工場で人参を全て熱湯で茹でます。そしてミキサーでドロドロに。ペーストにするからどんな形の人参でも大丈夫なのです。

これを厚さ0.1ミリメートルに伸ばして乾燥させるのですが、

ここはちょっとお見せできないところ。

乾燥させる機械は独自技術のため撮影NG。

待つこと15分 、野菜シートが出来上がってきました。

保存料や着色料を一切使わないから野菜そのものの味がするそうです

早田さんは捨てられていた野菜を活用することで救いたいと考えていました。

農業は非常に収益率の悪い産業だと思いますので、少しでも収益率をアップしていくと魅力的な産業になる可能性は十分ある。野菜シートはその一助になると思います。

子供

もうひとつ、この野菜シートを作った狙いがありました。

早田さんが訪ねたのは小さな子供がいる友人の家。

実はこの家の子供、大坪侑之助くん(4歳)、

ニンジン好かんよね?

ニンジン好かん。

こんな子供たちにこそ野菜シートを食べてもらいたいと早田さんは思っていました。

試しに手巻き寿司にニンジンシートを巻いてみると…

一口で食べた。

おいしい。

便利ですよね。こういうもので野菜が取れるなら。

生人参の野菜シート、同じ100gで栄養素を比べてみるとβ-カロテンは半分以下になるもののタンパク質や食物繊維はかなり多く摂取できます。

 生ニンジンニンジンシート
β-カロテン9,100µg4,150µg
タンパク質0.6g6.7g
食物繊維2.7g43.5g

水分を抜くことで栄養が凝縮されるといいます。

株式会社ベーカリー梅茂登

2月23日、宮崎県。

早田さんはさらに農業を助けようと動いていました。

ここはカット野菜を作る工場。

ホウレン草にも捨ててしまう部分があるといいます。

黄色い部分をここで除去します。緑のホウレン草が欲しいというお客様の要望なので。

根元に近い茎の赤い部分やほんの少し欠けてしまった葉、さらに黄緑色の新芽まで捨てなければならないのです。

栄養価はあまり変わらない?

変わらないですね。

全然使えますね。これ。

この工場の捨ててしまうホウレン草の茎や葉は1日に軽トラック2台分。これも全て買い取ることにしました。

ベーカリー梅茂登の村脇俊博工場長は、

食べられるものも廃棄されたりするので、それが少しでも減らせればいいのかな。

ホウレン草を会社に持ち帰り早速、野菜シートの試作に挑戦します。

初めて扱うホウレン草はバラバラになり伸ばせません。ペーストを均等に伸ばせなかったため破れやすくなっていたのです。

目が粗かった。ほんのちょっとでこうなってしまう。

そこでさらに細かく繊維を切ることに。

果たして仕上がりは…

これは大丈夫。色の感じも良い、きれいなグリーンになっていますね。

他にもトマトやカボチャ、さらには梅干しまで9種類の野菜シートの開発に成功しました。

株式会社イトーヨーカ堂

[blogcard url="http://www.itoyokado.co.jp/"]

これを持って早田さんが向かったのは流通大手のイトーヨーカ堂です。

大根と人参のシートを使った料理を用意していました。

これはお肉と卵を巻いています。

イトーヨーカ堂・加工食品部・マーチャンダイザー、越智敏行さん、

野菜嫌いのお子さんでも十分いけますね。

色鮮やかになるのでお子さんが、お弁当が楽しくなるような。

高揚するような、ワクワク感が出る気がします。

スーパーでのテスト販売が決定。

早田さんは今後も農家とお客様が喜ぶ商品を作っていきたいと考えています。

売り手良し、買い手良し、世間良し、「三方良し」の原理。これをどんどん進めていきたい。

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