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[WBS][若きゲームチェンジャー]苦境アパレルの救世主とは?[株式会社バニッシュ・スタンダード]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

新しいアイデアや技術で今までの常識や社会のあり方を変える若きゲームチェンジャーに迫る企画です。

3回目となる今回はコロナ禍でさらなる苦境に立たされるアパレル業界を救うかもしれない新たな接客の仕組みを生み出したバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃さんです。

起業に一度は失敗し、数億円の借金を抱えながらも再起を誓うきっかけとなったのは友人からの厳しい一言でした。

株式会社バニッシュ・スタンダード

[blogcard url="https://www.v-standard.com/"]

東京・南青山にあるアパレルショップ「アパルトモン 青山店」。大手のベイクルーズが運営しています。

時短営業の影響もあり苦境のアパレル。去年、売り上げは大きく減少しました。

しかし、明るき兆しも…

販売員の西田佳奈さん、先月の売り上げは1人で900万円を超えたといいます。

「1ヵ月で900万円?」

そうです。

一般的な販売員のおよそ9倍の額。なぜそんなに売れるのでしょうか。

西田さん、なにやら商品を選んで試着室に入ります。しばらくすると自ら身につけて出てきました。

そして髪型を整えると同僚がスマホで撮影。

別の服でも…

「モデル?」

モデルではない。青山店のスタッフです。

スタッフスタートのアプリを使って商品の特徴を記載しながら投稿する。

使っているのは「STAFF START(スタッフスタート)」という販売員専用のアプリ。

撮影した商品のバーコードをアプリで読み取り、自分の写真と紐付けます。

お客様に向けてスタイリングのポイントを記載。

するとベイクルーズのECサイトには西田さんの写真がアップされました。

販売員が実際に着てコメントを記すことで素材や着心地がイメージしやすいと人気を集めています。

ベイクルーズのEC統括、玉川寛一ディレクター、

プロのモデルよりお客様に近い身長や体型のスタッフの写真のほうが売れる。

スタッフスタートを使った写真やブログ経由の売り上げはEC売り上げの年間400億円のうち約3分の1を占めています。

スタッフスタートを開発したのがバニッシュ・スタンダードという会社の社長、小野坂寧晃さんです。

いままでは店舗に商品があって、レジがあって、店舗スタッフが立っている。

ECサイトには商品とレジしかなかったので店舗スタッフが立てるサービスをつくろうと。

ゲームチェンジャーの強み。

ECとリアル店舗の融合。

通常のネット通販ではお客様が会社から直接商品を買うのでいくら売れても販売員の実績にはなりません。

しかし、スタッフスタートを利用すると販売員の写真を経由したかなど判別することができるため、例えば成果報酬を設定することも可能になります。

実はこのアプリ、アパレルだけでなく三越伊勢丹やコーセーなど1,200のブランドに採用されていて、去年の流通金額は1,100億円を超えました。

急速に拡大するスタッフスタート。しかし、もともとは小野里さんの失敗から生まれたサービスでした。

つらかった。ああいうのは二度としたくない。

2011年、ECサイトを制作する会社から独立し、起業した小野里さん。

しかし、単価の安い仕事を受託するだけの状況が続き、気がつけば20人以上いた社員は全員会社を辞め、数億円の借金だけが残りました。

すべてを失った小野里さんの目を覚まさせたのはアパレルで働く友人からの一言でした。

「お前がやっているECサイトが大嫌い」と言われた。衝撃的で。

ECサイトは人の生活を豊かにしている、便利にしていると思っていた。

「お客様がECサイトにいく」とか「売り上げもECサイトにいく」とか「一番苦しいのは俺たちだぜ」と言われて。

自分たちの事業が販売員を不幸せにしているかもしれないという疑問。

そこで思いついたのがECとリアル店舗の強みを融合したサービスです。

働いている人たちが幸せになる。店舗が幸せになるようなECサイトの仕組みをつくれないか。

やろうと決めたのが「スタッフスタート」。

そして先月、小野里さんはLINEと手を組み、販売員がLINE上でライブで接客などができるシステムを開発。販売員の強みをより活かせるサービスを目指します。

若きゲームチェーンジャー、小野里さんが描く未来とは…

デジタルの力でリアルを守る。

デジタルで人を、世の中を幸せにしてきたい。

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