10月31日、関西電力と九州電力は今年4-9月までの中間決算で最終損益が赤字に転落したと発表しました。燃料価格の高騰などで経営が悪化する中、大手電力会社が家庭向けの電気料金についてさらなる値上げを表明する動きが相次いでいます。電気料金は今後も値上りが続くのでしょうか。
どうなる?今後の電気料金
「3割高くなっている…」
都内に住む主婦の平塚千晶さん。夫と3人の子どもの5人暮らしです。
番組スタッフ
置いてある家電は何がありますか?
主婦
平塚千晶さん
エアコンとテレビ、プリンターとパソコン。
家の間取りは3LDKですがエアコンはリビングに設置された1台だけ。
調理家電は炊飯器と電子レンジのみで電源をこまめに抜くなど節約を心がけているといいますが、電気料金を見せてもらうと…
主婦
平塚千晶さん
2021年8月で一番エアコンを使った月。
367kWhで9,863円。
2022年8月は373kWhで1万3,143円。
今年に入って去年よりも2割から3割、電気料金が高くなっているといいます。
主婦
平塚千晶さん
過去最高額。
こんなに高い電気代見たことない。
どうなる?今後の電気料金
相次ぐ"値上げ"表明
電力会社も苦しい状況が続いています。
10月31日に今年4-9月までの決算を発表した電力会社は…
九州電力 東京支社
熊懐達夫副支店長
純損益が476億円の損失となりました。
さらにこちらも…
関西電力
上西隆弘経理部長
円安の進行、燃料価格の高騰による影響はあまりにも大きく、収支見通しを下方修正せざるを得ない状況。
九州電力も関西電力も上半期としては東日本大震災の影響を受けた2012年度に次ぐ大幅な赤字となりました。
燃料価格の高騰や円安などで経営が悪化する中、さらなる値上げに踏み切ろうという会社も出てきています。
東北電力
二階堂宏樹東京支社長
苦渋の決断ではあるが規制料金についても値上げをせざるを得ないと判断し、国への認可申請に向けた準備に入ることにした。
東北電力が検討を始めたのは規制料金の値上げです。
電気料金には国の認可を元に設定する規制料金と電力会社が自由に設定する自由料金の2種類があります。
多くの一般家庭が契約しているのは規制料金の方ですが、上限を引き上げるには国からの許可が必要となっています。
これまでに国への申請の意向を示しているのは東北電力と中国電力、北陸電力の3社。
こうした電力会社の動きについて政府は…
磯﨑官房副長官
電力会社から家庭用の規制料金値上げの申請があった場合には経済産業省におきまして経営の効率化、燃料の調達費用の見込みが妥当であるか、こういったことを厳格に審査をした上で認可をしていくことになる。
すでに大手10社の規制料金は上限に達していて、さらに燃料価格の高騰などが続けば申請に踏み切る会社が相次ぐ可能性があります。
こうした状況の中、専門家は…
大和証券
エクイティ調査部 シニアアナリスト
西川周作氏
国としては認可申請が出たものについて門前払いというわけにはいかないと見ていただいていい。