いま日本とアメリカで車が売れています。
5月の日本の新車販売台数ですが、1年前に比べて46.3%、アメリカでも日本の自動車大手4社の販売台数の合計が42.6%と大幅に増えました。

新型コロナで落ち込んだ去年からの回復が鮮明になりましたが、実はいま"クルマショック"といえる事態が起きています。一体どういうことなのでしょうか。

株式会社ユー・エス・エス
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6月3日に会見した日本自動車工業会の豊田章男会長。新車販売の状況について

2021年も折り返し地点に入り、コロナ危機が本格化して1年以上がたった。

企業や業界の垣根を超えて頑張り続けた結果、20年度の自動車販売・生産は想定より早く回復して自動車産業は49兆円の経済波及効果を生み出した。

5月の新車販売台数は31万9,318台と1年前に比べて46.3%の増加。

さらにアメリカでもトヨタを筆頭に日本の大手自動車4社は42.6%の増加と日米両市場で好調ぶりが目立っています。

好調な新車販売ですがその余波も出ています。

広い敷地内にずらりと並んだ車。実はこれ、全部中古車でオークションにかけられていくものです。

USSの三上正裕東京会場長、
本日1万3,000台ほどある。

コロナ前の同時期と比べると若干少ない。

古い型のスカイラインやフェラーリなど国産車から外車までたくさんの種類の中古車が並びます。
車をチェックしている人は中古車販売業の人たちです。
この会場では毎週木曜日にオークションが開かれています。
その現場を案内してもらうと、
こちらは出品された中古車が競りにかけられている会場になる。

席に座っている人は中古車販売の業者。

参加者はおよそ3,000人。モニターに映し出された中古車が次々に買い取られていきます。
そして、この中古車市場に異変が…
公共の交通機関を使わない人が多くなって中古車を買う人が増えた。

車によって5万~10万、場合によっては20万円上がっている。

日産のセレナやトヨタのヴォクシー、アルファードなど。

中古車の価格が上がっていました。
実際、中古車の平均落札価格は去年の6月から11ヵ月連続で1年前の同じ月を上回っています。

理由を聞いてみると、
今、新車だと半導体の遅れなどで半年、物によっては1年ほど納期がかかる。

中古車についてはすぐ納車ができる。

今後、新車の供給がままならない状態だと中古車の高騰は続く。

中古車需要が高まる背景にはコロナ禍の影響で移動手段が見直されたことや世界的な半導体の不足によって新車生産が追いつかないという実態がありました。
同じ現象は自動車大陸アメリカでも…

欲しい車は納入まで6ヵ月待ちだ。

フィラデルフィア郊外のディーラーを訪ねました。

ここではJEEPなどで知られる欧米の大手メーカー、ステランティスの車を販売しています。
社長のデービッド・ケレハーさん、半年ほど前から新車の入荷が激減しているといいます。

ここには車が3列で満杯に並んでいた。あの列は今ではゼロだ。

かつては700台ほどあった在庫が56台にまで減っていました。そこでいま力を入れているのが、

「ラム」の中古トラックだ。

中古車です。
この車種は半年前と比べ、5,000ドル(約55万円)高く音を付ける。

以前は売れるまで30~45日だったが、いまは1週間以内で売れるだろう。

人気の車種は新車を超える値段で売れることもあるため、確保を急いでいるといいます。
狂ったように中古車を買い集めている。けさは6台買った。

どのくらい売ったかと同じくらい、仕入れの数を気にしている。

アメリカでは政府による給付金の効果もあり中古車に任期が急上昇。

中古車価格の代表的な指標はこの1年でおよそ1.5倍に跳ね上がりました。

新車がなくても、中古車販売と整備で商売はうまくいく。
