ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が9月19日に首都のネピドーで演説しました。
少数派のイスラム教徒ロヒンギャが国の治安部隊による掃討作戦を逃れ隣国で難民化しているという問題について平和的な手段で解決を目指すと表明しました。
実は日本にも200人を超えるロヒンギャ難民がいます。その難民支援に乗り出したのがユニクロです。
世界で深刻化する難民問題に企業としてどう取り組んでいるのでしょうか?
ロヒンギャ問題
アウン・サン・スー・チー国家顧問、
あらゆる人権侵害と違法な暴力を非難する。
スー・チー氏は現在、ニューヨークで開かれている国連総会を欠席してまで今回の演説に臨みました。
その背景にあるのはロヒンギャ難民に関する国際社会の批判です。
イギリスのボリス・ジョンソン外相は、
スー・チー国家顧問はこの虐殺を確実に止めるべきだ。
ことの発端は先月、ロヒンギャの武装集団が警察署などを襲撃。それに対しミャンマー政府は治安部隊による掃討作戦を開始します。
不当な暴力を受けたというロヒンギャは自らの命を守るため隣国バングラデシュへ逃げ、その数は約40万人に上ります。これはロヒンギャの人口の3分1にあたるといわれています。
この状況について国連は、ある民族集団を居住地から排除しようとする重大な人権侵害行為、いわゆる「民族浄化」だと批判しています。
これに対しスー・チー氏は、
全体の修復、平和安定、法の支配に尽力している。ミャンマーからバングラデシュに逃げた難民の帰還が求められている。私たちはいつでも検証を開始する用意がある。
国連の調査受け入れを示唆し、平和的手段で解決していくと訴えたスー・チー氏。
しかしミャンマーに帰ることが出来たとしても仏教徒が大多数を占めるミャンマーでは少数派のイスラム教徒であるロヒンギャの人々は政府から不法移民と認識されておりミャンマー国民としては認められていません。
株式会社ユニクロ
[blogcard url="http://www.uniqlo.com/jp/"]
実は日本にも200人以上のロヒンギャ難民がいます。
そのうちの1人、カディザ・ベゴムさん(31歳)。
11年前、同じロヒンギャの夫が難民認定を受け、夫に呼び寄せられて日本にやって来ました。
彼女はいまユニクロで準社員として働いています。
28を持ってきたが一つ小さいものを持ってきて。
27ですね。
27とか26を。
スキニーフィットですね。
お客様は、
感じがいい人だなと。
日本では働き手が不足しているし、難民がみんな悪いわけではないので真面目に働いてくれるなら働く場があってもいい。
日本にきてから奨学金制度などを利用し青山学院大学などで学んだカディザ・ベゴムさん。ほかの日本人スタッフより声が出ています。
すると入ってきたお客様から何かを受け取りました。これは何でしょう?
リサイクルボックスがあってお客様からいらない服を回収。結構集まりますね、多いです。
日本ではいらない服の大事さは分からないと思うが、世界の難民が住んでいるところではいらない服も大事に使っている人がいるので素晴らしい取り組みだと思う。
株式会社ファーストリテイリング
[blogcard url="http://www.fastretailing.com/jp/"]
ユニクロを運営するファーストリテイリングはリサイクル回収した衣類を何人キャンプに届けるほか、2016年から3年間で難民支援に1,000万ドルを投じる方針を打ち出しています。
ファーストリテイリング サステナビリティ部リーダー、シェルバ英子さんは、
社会が平和で安全であることが前提でビジネスが成り立っている。それを阻害する要因である難民問題は非常に重く、さまざまな取り組みを実施している。
現在、日本のユニクロでは39人の難民が従業員として働いており、今後国内外で100人の雇用を目標としています。
しかし2016年に日本で難民申請した外国人の数は1万人を越えたのに関わらず認定されたのはわずか28人。この狭き門が難民とそれを支える企業の大きな壁として立ちはだかっています。
カディザさんは、
子どもたち2人の将来をどうするのか。子どもが小学生になってから「ママ、私なに人?」とよく聞かれる。「自分たちは難民、国がない」と教えていなかった。
目標は将来、子どもたちのために住みやすい環境をつくる。日本でも、どこでも、母は同じ気持ち。
難民としてではなく人間として扱ってほしい。
ファーストリテイリングは今後、難民認定を申請中の外国人も雇用の対象にすることを正式に決定。
より多くの雇用機会を提供できるようにしたいと考えています。