最近よく目にするSDGsについてです。
「貧困をなくそう」「気候変動に具体的な対策を」「全ての女性、女児に力を」など国連が定めた17の目標で多くの企業の活動に影響を与えています。

そんな中、経営の最重要方針にSDGsを掲げたのがユニ・チャームです。

社会課題の解決と収益を追求すること。果たして両立することはできるのでしょうか。

ユニ・チャーム株式会社
[blogcard url="http://www.unicharm.co.jp/index.html"]
コロナ禍で需要が急拡大したマスク。

ユニ・チャームは今年、マスク需要が下支えし過去最高の売上げを記録。来月からさらなる増産に。

そんなユニ・チャームにとっていまマスク以外で引き合いの強い取り組みが…

11月下旬、IT企業のオフィスを訪ねると。

男性がやったほうがいい。

恥ずかしそうに男性が開いているのは女性用の生理ナプキン。

こちらの男性は生理用のタンポンを手にしていました。

生理の回数は積み上げると500回弱。一生向き合わなければいけない。

開かれていたのはユニ・チャームが主催する生理研修です。

男性に女性の生理の仕組みを伝えることで全ての人にとって働きやすい職場を作るのが狙い。
スポーツ用ナプキン。知らない、見たことない。

あまり深く生理について聞くことはなかった。すごく良い機会になった。

SDGsへの関心の高まりを受け全国で生理研修を展開するユニ・チャーム。
さらに10月、ユニ・チャームは女性の支援や環境問題への対応といったSDGsへの投資を経営の最重要方針に掲げると発表。

果たしてビジネスとしての勝算はあるのか、トップの決断に迫ります。

「SDGsへの取り組みはすぐ利益につながらないが?」

ユニ・チャームの高原豪久社長、
採算は重視しなければならないが。

生理期における女性・赤ちゃん・高齢者、相対的な"弱者"が持つ不満やニーズを第一ステップとして解決することが一番成功確率が高くて明らかにそこに需要がある。

社会課題の解決にこそビジネスチャンスあり。

そんなユニ・チャームがいま目をつけているのは紙おむつです。

高齢化に伴い紙おむつの生産枚数は急増。10年ほど前と比較して1.5倍に増えています。

しかし使い捨てのため大量のゴミが発生。10年後には今より年間20万トン以上増えるといわれています。

そこで下したある決断。

使用済み紙おむつのリサイクル事業は今まで誰もやったことがなかったので、それをユニ・チャームがやる。

鹿児島県大崎町。

ここで世界初の取り組みが動き出しています。

作業員が回収しているこちらの白いゴミ袋。
中身を見てみると「紙おむつ専用」との文字。

こちらの自治体では使用済みの紙おむつだけを分別してもらい回収しています。
去年から本格的に。

こうした使用済み紙おむつを回収し自治体とともに再生紙おむつをつくる実験を行っています。

集められた紙おむつは専用の機械に入れられ粉砕。

独自技術のオゾンによる洗浄を経て、真新しいパルプに生まれ変わります。


使用済のおむつには1億個以上の菌がいるといわれていますが処理後は新品同様の品質に。

量産化が実現すれば焼却によるCO2だけでなく生産コストも削減できる、2つの削減を実現できます。

消費者の満足も満たされ、ビジネスとしても成立する。

社会・生活環境に対して着実に改善の方向に向かう。

メーカーとして生理用品というプロダクトの価値だけを訴求する時代、それだけを訴求すれば消費者の満足を満たせていた時代は終わっている。

「今後の日本経済はどうなるのか?」

コロナによって時短勤務が進み、労働時間が減っていくとGDPが下がる。

総人口は減っても付加価値の高い商品やサービス、知識が生まれていく。

付加価値の高い商品を作り続けることで経済成長は実現できるという見立て。

その中で生き残るには、
社会課題の解決が会社の目標になっていて、それがSDGs=パーパシ(目的)。
