地域の頑張る企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」です。
需要が大きく落ち込んだ伝統の織物をよみがえらせた福岡県のセレクトショップを取材しました。

株式会社うなぎの寝床
[blogcard url="https://unagino-nedoko.net/"]
東京・銀座。

日本全国の逸品を取り扱うセレクトショップが意外な商品が売れているといいます。

藤巻百貨店の前田つぼみさん、
いま売れているのがもんぺ。

この店では去年の春から販売を開始。

ファッションにこだわりのある人から大きな支持を得る藤巻百貨店。
そこに出品されたもんぺは農作業に使うイメージとは違ったすっきりとしたシルエット。その見た目が外出に使えると人気を呼びました。

軽くて薄くてはきやすい。

はいてないみたい。

2016年にはグッドデザイン賞を受賞。

渋谷ロフトや蔦屋書店での展示販売など全国80店舗以上で取り扱われ、年間2万着を売り上げています。


福岡県南部の八女市。

仏壇や提灯など伝統工芸品づくりが盛んなまちとして知られています。

ここにもんぺを手掛ける企業が…

2012年に創業したうなぎの寝床。

筑後と呼ばれるこの地域のものづくりを中心としたセレクトショップで売上は3億円にのぼります。

うなぎの寝床の白水高広社長、
福岡県南部の久留米絣という200年続いている生地を使ったもんぺ。

薄くて柔らかい生地。

着れば着るほど柔らかくなって着心地が良くなる。

久留米絣とはあらかじめ染められた糸を使って模様を出す織物。

筑後地方で農家の副業として盛んに織られ、明治以降には庶民の衣服として全国で愛用されました。

国の重要無形文化財に指定されています。

農作業から日常用に使われてきた織物。

シュッとさせて現在に伝え直している。

戦後、洋服の普及で急速に需要が落ち込んだ久留米絣。

うなぎの寝床はその着心地に再注目し、10社の織物会社と契約して現在風にリメイク。

それぞれの織物が持つ久留米絣の色や模様を生かし80種類以上のもんぺが販売されています。

下川織物の下川強臓さん、
コロナの経済的ダメージで仕事をどうしようかと思っていたので助かった。

久留米サンモードの林田明久社長、
MONPEは売り上げの3割。

かなり助かっている。

地元の伝統文化をみんなで広げていくのはいい。

社長を務める白水さんが久留米絣のもんぺを知ってもらうために2011年に始めたのがもんぺの展示会です。

もんぺと聞いたら30~50代は農作業のイメージが強いので海や山で写真を撮ったり、空港や旅行で使いやすいとか提案し直して現代で使ってもらえるように伝え直した。

従来のもんぺのイメージを変え、新たなもんぺの価値を伝えたのです。
展示会をきっかけに福岡県内のメディアが注目し、ネットで売れ始めました。
また伝統的な久留米絣は藍染め・手織りで作られていますが、うなぎの寝床では化学染料染め・機械織りで作る織元を選びコストを抑えることで手にとってもらいやすくしています。


さらに今年から久留米絣の糸を使った靴下も製造。

久留米絣の織元20軒弱が一丸となって販売ができるように話し合いを進めています。
白水さんのお店には吸収を中心に全国の工芸品が置かれ、地域文化を伝えることを大事にしています。

福岡県の上野焼は茶碗が多い。

現代のカフェやバーで使えるようにプレートにチャレンジ。

上野焼の特徴的な色をピックアップ。

現代風にデザインし直してポップアップ・販売・PRしている。

こちらはギフトセット。百貨店やネットでの販売を意識したもので、新たな顧客の開拓を目指しています。

白水さんは2015年から地域文化の商社を掲げました。

伝統工芸品とかモノづくりをしている人も現代に合わせたモノづくりをしている。

知られていないのが問題。

店を作ったりインターネットを通じて良さや背景を発信することが仕事。
