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[WBS] プールにウミガメ!廃校に観光客続々!

2019年8月15日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

およそ4,900校。

この数字はこの10年間で全国で廃校になった公立学校の数です。

増え続ける廃校を福祉施設や民間のオフィスに活用するケースは以前からよく聞かれたものですが、最近は大人も子どもも楽しめる観光やレジャーのスポットに生まれ変わらせるケースが増えているといいます。そうした廃校ビジネスの新たな可能性を取材しました。

特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会

[blogcard url="http://www.umigame.org/"]

高知県東部に位置する室戸市。

太平洋に突き出た絶景スポット、室戸岬が有名なこの街に去年、新たな観光地が誕生しました。

それは水族館。

地元の海に生息する魚やウミガメなど50種類、1,000匹以上を展示しています。

一番の目玉は屋外にあるという大水槽。

ところが、そこはどうみても普通のプール。

中には悠々と泳ぐサメやウミガメの姿が…

実はここ、2006年に廃校になった小学校を改修して作った、その名も「むろと廃校水族館」。

館内には跳び箱を利用した水槽や理科準備室に置かれた巨大なクジラの標本など学校でしか見ることのできない斬新な展示がいたる所にあります。

すごく近い。生き物や魚と。

学校を見るのも楽しめるし、水族館としてみるのも楽しい。

むろと廃校水族館は廃校となった小学校を室戸市が国の補助金などを利用しておよそ5億円で改修しました。

運営を委託されたのがNPO法人「日本ウミガメ協議会」。

館長の若月元樹さん。日本ウミガメ協議会のメンバーで水族館の発案者でもあります。

デパートのような水族館ではなくて、コンビニのようなお手軽な水族館を目指した。

学校という雰囲気がみんあにとって懐かしい場所だった。

去年4月のオープン直後から話題を集め、1年目は黒字化が実現できる目標の4万人を大きく上回る17万6,000人ものお客様が訪れました。

今月中に累計で25万人を突破する見通しで収益はウミガメの保護などに使われます。

何もなかった場所に水族館ができて20万人のお客様が来た。

それまでなかった動きが生まれたことが大きい。

入館料とグッズの売り上げだけで人件費と運営コストを全て賄いなさいということだった。

それは今のところうまくできている。

文部科学省

[blogcard url="http://www.mext.go.jp/"]

実は今、廃校をレジャー施設として活用する動きが急速に広がっています。

レジャーを含む体験交流施設の数は現在、全国に500ヵ所近くあります。

その背景には廃校ならではのメリットが。

文部科学省施設助成課、加藤晴彦課長補佐、

なんといっても学校なので広大な敷地、運動場、体育館、施設があることが廃校の強みではないか。

高萩ユーフィールド

[blogcard url="https://www.you-field.com/"]

こうした廃校のメリットを生かした施設が茨城県高萩市にありました。

2年前に廃校になった小学校と中学校。

敷地の一角で行われていたのがバーベキュー。

そしてピールで水遊びをする子ども達。

ここは廃校の敷地を利用したこの夏オープンしたばかりの有料のキャンプ場です。

すごく自然がいっぱい。素晴らしいところ。

きょうは泊まります。

東京の喧騒を忘れて子どもたちが遊べる。

しかし、ここの売りはキャンプ場だけではありません。

それは2万平方メートルもある広大なグラウンドの上でドローンを自由に飛ばすことのできる施設でもあるのです。

平日はドローンパイロットを養成する教習所を運営。

3日間で専門知識と操縦技術を身につけることができ、オープンから8ヶ月でおよそ100人が卒業しました。

またキャンプ場を利用する人はインストラクターの指導の元、ドローンを飛ばす体験もできます。

自分で飛ばしたことが楽しかった。

キャンプ場とドローンの教習所を運営する高萩ユーフィールドの五十嵐則夫社長は高萩市から10年計画でこの廃校を借り上げ、数千万円をかけて校舎や敷地内の設備を改修。

現在、全国の企業や学校からドローンを使った研修の問い合わせが増えているといい、2年後には事業を黒字化できる見通しです。

もしわれわれがここを利用しなければ地域全体が限界集落になってしまうという高萩市長の声があった。

交流人口の増大やにぎわいづくりに向けて頑張りたい。

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