ロシアのプーチン大統領は5日までにウクライナ東部のドネツク州など4つの州を併合することを一方的に定めた文書に署名しました。これにより併合をめぐるロシア国内の法的な手続きが完了したことになります。
一方、ウクライナ側は反転攻勢を強める構えで戦闘の激化が懸念されます。
ウクライナ4州"併合"手続き完了
ロシア駐日大使「軍事作戦続ける」
ロシア側がウクライナ4州の併合を一方的に宣言してから5日。プーチン大統領が関連法案に署名したことで"併合"を巡るロシア国内の手続きが完了しました。
ロシア側が併合を決めたのはウクライナ東部のルハンシク州とドネツク州など合わせて4つの州です。
併合した地域では各地にロシアの行政機関を設置するほか、ウクライナの通貨「フリブナ」が来年1月から利用できなくなります。
5日に日本の国会内で講演した駐日ロシア大使のミハイル・ガルージン氏は…
駐日ロシア大使
ミハイル・ガルージン氏

以前、国際司法裁判所はある地域が独立を宣言したいとき、そのために中央政府の許可を要請する必要がないとコメントしている。
今回の住民投票やロシアへの併合について正当性を主張しました。
そして…
駐日ロシア大使
ミハイル・ガルージン氏

東部のドンバス地域の保護、ウクライナの非軍事化、非ナチ化、中立化などの課題をわれわれはいずれ実現する。そのために特別軍事作戦を続ける。
こうしたロシアの姿勢に対し各国から反発の声が挙がっています。
米国が追加軍事支援を表明
ウクライナ"併合"地域で反転攻勢
アメリカのバイデン大統領は4日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行いロシアによるウクライナ領土の併合を決して認めないと強調しました。
そして6億2,500万ドル(約900億円)の追加軍事支援を表明したのです。
こうした支援を背景にウクライナは反転攻勢を一層強める構えです。
ウクライナ兵

ウクライナに栄光あれ。
ゼレンスキー大統領は4日にプーチン大統領との停戦交渉を不可能とする法令を公表し、ロシア側に支配された4つの州で数十の集落を奪還したと主張しました。
一方、ロシアが併合を決めたウクライナ東部のドネツク州では部分動員令によって集められた予備兵たちの軍事訓練が進められています。
ロシアの予備兵

予備兵の動員は必要だから避けることはできない。
ウクライナ情勢の先行きが不透明になる中、国連総会の緊急特別会合が10日に再開されることになりました。
ロシアがウクライナの4つ州の併合を一方的に宣言した問題を議論し、併合を認めないとする決議案を採決する見通しです。