
ロシアがウクライナへの侵攻を始めて8月24日で半年を迎えます。戦闘が長期化する中、焦点となっているのが8年前の2014年にロシアが侵攻し一方的に併合を宣言したウクライナ南部のクリミア半島です。ロシア軍の司令部も置かれるクリミアでいま何が起きているのでしょうか。
ウクライナ侵攻半年…続く攻撃!首都キーウでは厳戒態勢
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

残酷な者たちは180日間、ウクライナのあらゆる場所で攻撃をやめていない。
これまでウクライナに対して使用された巡航ミサイルの数は3,500初近くになる。
激しい戦闘が続いてきたこの半年、国連人権高等弁務官事務所はウクライナでこれまでに少なくとも5,500人以上の一般市民が死亡したと発表しました。
止まらない攻撃、ウクライナ原子力規制監督局は22日にヨーロッパ最大のザポリージャ原発に近い火力発電所をロシア軍がロシア軍が攻撃したと発表しました。近所に住む人からは不安の声が聞こえます。
市民

心配でしょうがない。
私たちは火薬たるの上に座っているようなものだから。
軍事侵攻から半年を迎える8月24日は奇しくも旧ソ連からの31回目の独立記念日です。その前日に行われた国旗掲揚式でゼレンスキー大統領は誓いを立てました。
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

青と黄色の旗は本来あるべき場所で再び振られるだろう。
一時的に占領されたウクライナの全ての都市、村で…
ロシアがこの日に合わせてインフラ施設を狙った攻撃を計画しているとの情報があるため首都キーウなどでは祝賀行事などは禁止されました。
ウクライナ最高会議はロシアの侵攻を受けて発令した厳戒令と総動員令を11月21日まで延長する法案を可決。これで成人男性の出国禁止は維持され、市民は厳戒下での緊張を強いられています。
ロシア 軍事拠点で相次ぐ爆発!クリミア奪還なるか ウクライナ
ロシア
プーチン大統領

特別軍事作戦を行うと決定した。
2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻。要衝マリウポリが占拠されるなど半年間、激しい戦闘が繰り広げられています。
東部や南部ではいま膠着状態が続いていますが、そうした中で焦点となっているのがクリミア半島です。
8年前の2014年、ロシアは突如クリミアに侵攻。一方的に併合を宣言しました。
ロシア
プーチン大統領

2014年はクリミアの人々がロシアと一緒にいることを決めた歴史的な年だ。
旧ソ連時代から海軍基地の要衝だったクリミア。ロシアの黒海艦隊の司令部も置かれています。
ただ、今月に入りクリミアにあるロシア軍の拠点では爆発が相次いでいます。9日には飛行場でも複数の爆発が。さらに黒海艦隊司令部でも爆発が。ドローンによる攻撃があったものとみられています。
ウクライナはコメントしていませんが欧米メディアはウクライナ軍が関与していると伝えています。
ゼレンスキー大統領もここに来てクリミア奪還という目標を掲げています。
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

青と黄色の旗は本来あるべき場所で再び振られるだろう。
一時的に占領されたウクライナの全ての都市、村で…
こうした中、クリミア半島の返還を目指して設立された国際的な枠組み「クリミアプラットフォーム」の首脳会合がオンライン形式で行われています。会合には岸田総理をはじめおよそ60の国や国際機関から首脳級の40人程度が参加するとされ、ウクライナのゼレンスキー大統領はクリミア半島の奪還に向け、世界からの協力を訴えました。
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

テロを克服し、われわれの地域、ヨーロッパ、そして全世界に安全を取り戻すためにはロシアの侵略との戦いに勝利することが必要。したがってクリミアを占領から解放することが必要なのだ。