ドイツをはじめEU(ヨーロッパ連合)の多くの国が依存しているのがロシア産の天然ガスです。ルーブル建ての代金の決済に応じないことを理由にロシアがポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給を停止したことに対し、ポーランドが法的処置に出る構えを見せているほか、EUからの反発は広まっています。一方でロシアはガス供給の停止の拡大を示唆するなど駆け引きが激化しています。
ロシア ガス供給停止で応酬!プーチン氏「電撃的な対応」示唆
EU
ファンデアライエン委員長

ヨーロッパにおけるロシアのエネルギーの時代は終わりつつある。
EUのファンデアライエン委員長は27日に調達先の多様化などでロシア産ガス依存から脱却することを強調しました。
一方、天然ガスのおよそ4割をロシアからの輸入に頼っているドイツ。
3月に40年ぶりのインフレ水準を記録したことなどからロシアによるガス供給停止の動きに危機感を強めています。
ドイツ
ハーベック経済相

代わりの調達先を確保する必要がある。数日のうちに進展があることを願っている。
また、ガスの供給を止められたポーランドのドゥダ大統領はガスプロムに対し、法的措置に乗り出すことを明らかにしました。
ポーランド
ドゥダ大統領

われわれは法的措置を講じることにした。ロシアとガスプロムに適切な補償を求める。
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は4月27日に通貨ルーブルの支払いに応じない国へのさらなるガス供給の停止を示唆。強硬な姿勢を崩していません。
ロシアとEUのガスをめぐる駆け引きが続く中、ウクライナではロシア軍に包囲されているマリウポリの製鉄所からの一般市民らの避難がいまだに実現していません。
避難の仲介に乗り出している国連のトップ、グテレス事務総長は4月28日にウクライナの首都キーウを訪問。
ロシア軍による攻撃で破壊された住宅地を視察し、21世紀に戦争をするとはばかげていると批判しました。
国連
グテレス事務総長

無実の市民がここには住んでいた。この戦争で最も大きな代償を払ったのは彼らだ。
この後、ゼレンスキー大統領との会談に臨み、戦闘地域における避難経路の設置などについて協議する予定です。
一方、プーチン大統領はウクライナへの軍事支援を強める欧米に対し、核兵器の使用もちらつかせ強くけん制しています。
ロシア
プーチン大統領

もし外部から干渉するならわれわれは電撃的な対抗措置をとる。
私たちしか持っていない手段があるし、必要であればそれを使う。