ロシアによるウクライナ侵攻が24日で2ヵ月となりました。この節目の日にキーウを初めて訪問したのはアメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官です。ウクライナ南東部への軍事作戦を進めるロシアに圧力をかけた形です。
一方、ロシアのプーチン大統領も4月25日に演説し、ウクライナに支援を続けるアメリカ側を強くけん制しました。
プーチン大統領が反発!アメリカ2閣僚が初のキーウ訪問
ロシア
プーチン大統領

アメリカやヨーロッパなど西側諸国が自分たちの武器などをウクライナに使わせてロシアに勝てと呼びかけている。
ロシアの社会を分断させ、内側からロシアを破壊させようとしている。
私たちの社会は一つだ。私たちの軍を応援している。
4月25日にロシアの治安当局の会議で演説したプーチン大統領。アメリカなど西側諸国がウクライナを介してロシアを潰そうとしていると強くけん制しました。
一方、ウクライナの首都キーウ。
ゼレンスキー大統領と固い握手を交わすのはアメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官です。
24日にロシアの侵攻後、アメリカの閣僚として初めてウクライナの首都キーウを訪問しました。
アメリカ
ブリンケン国務長官

われわれはキーウに来た。あなたに会うためだ。
ロシアの攻撃を押し返した。あなたの勇気、リーダーシップのおかげだ。
動画ではいつも見ていたが、こうして実際に会えてうれしい。
ゼレンスキー大統領をこう持ち上げたブリンケン国務長官。その上で…
アメリカ
ブリンケン国務長官
そちらが議論したいことを議論しよう。

ウクライナ
ゼレンスキー大統領

このような状況でキーウで会えたこと、そしてアメリカの支援に感謝する。
ゼレンスキー大統領は会談でウクライナに対するさらなる武器の提供や経済分野での支援、ロシアへの制裁の強化などを求めました。
これに対してアメリカ側はウクライナや周辺国への900億円余りの軍事支援、ウクライナへの外交官復帰を表明。
2人のウクライナ訪問は事前に日程が公開されない厳戒態勢でした。ポーランドから電車でウクライナに入り、3時間の会談後すぐにポーランドにとんぼ返り。会見の映像が公開されたのもウクライナを出国した後でした。
アメリカ
ブリンケン国務長官

私たちは今回ウクライナへの強い支援を直接示すことができた。
ロシアはウクライナから主権と独立を奪おうとしたが、それは完全に失敗した。
侵攻からちょうど2ヵ月のタイミングでの訪問。ロシアが首都制圧に失敗したと印象づける狙いもあったとみられます。
なぜ?大統領が"地下鉄"で会見!キーウ副市長が背景明かす
この日、キリストの復活を祝う復活祭を迎えたウクライナ。教会では朝から住民が集まり祈りを捧げていました。
ただウクライナをめぐる状況はいまだに厳しいままです。
ウクライナ西部では駅の変電所から煙が。ロシア軍の攻撃によるものだとみられます。
鉄道関係者は合わせて5つの駅が攻撃を受けたと明らかに。
そしてゼレンスキー大統領がやって来たのはキーウ市内の地下鉄の駅。
ウクライナ
ゼレンスキー大統領

もしロシアがマリウポリを破壊し、自分たちの共和国をつくり、投票を行うならウクライナは停戦交渉をやめる。
なぜ地下鉄の駅で会見したのでしょうか。
キーウ市の副市長に話を聞くことができました。
キーウ副市長
ミコラ・ポヴォロズニク氏

危険はまだ過ぎ去っていない。
街は相変わらず侵略者(ロシア)のミサイルと爆弾のターゲットになっている。
地下鉄が一番安全。シェルターにもなっている。
シェルターの機能も持つキーウの地下鉄は世界で最も深い場所にあるといわれます。その深さは駅によっては地下100メートルにも。
外国人記者

驚いたが戦争中なので地下で会見を行うのは記者も大統領も安全だ。
賢い選択だと思う。びっくりした。
停戦の見通しがつかないロシアとウクライナ。国連のグテレス事務総長は26日にモスクワでプーチン大統領と、28日にはウクライナでゼレンスキー大統領と会談し、停戦に向けた交渉に臨みます。