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[WBS]ゼレンスキー氏がいら立ち!ロシアへの制裁強化は「不十分だ」!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ウクライナで多数の民間人の殺害が明らかになったことを受けて各国はロシアへの制裁強化を打ち出しました。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はこの制裁について不十分だといら立ちをあらわにしました。

対ロシア政策強化 限定的か?ゼレンスキー大統領「不十分」

多数の民間人が犠牲となったキーウ近郊の町ブチャ。無数の銃弾が転がり、焼け焦げた戦闘車両が道路を埋め尽くしています。その間を縫うようにして水を求める人が歩いて行きます。

住民

理解できない。なぜ市民が殺される必要があるのか。

こうしたウクライナの惨状に国際社会はロシアへのさらなる制裁強化を打ち出しています。

アメリカ
バイデン大統領

同盟国やパートナーとともに経済的コストを上げ続け、プーチンの痛みを増大させ、ロシアの経済的孤立をさらに深める。

アメリカのバイデン政権は6日にロシアへの新たな投資の全面禁止を発表。

またダンスの国際大会で入賞経験もあるカテリーナさんなどプーチン大統領の2人の娘に対してもアメリカ国内の資産を凍結するとしました。

しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領は…

ウクライナ
ゼレンスキー大統領

しかし欧米の対露制裁は十分ではない。世界が目にしたブチャでの"悪"に見合っていない。
ロシアはドンバスで新たな流血を引き起こし、攻撃することを許されたと見なすだろう。

ゼレンスキー大統領がいら立つ背景にはロシアの輸出の半分を占め、経済の柱ともいえるエネルギー産業への制裁が限定的なことがあります。

アメリカはロシアの銀行最大手ズベルバンクなどに対してアメリカ国内の資産凍結や取引禁止を発表。しかし、関係者によるとエネルギー関連の取引はここから除外されたといいます。

一方、EUも追加制裁案にロシア産石炭の輸入禁止を盛り込みましたが、ドイツなどの反対が根強く合意には時間がかかりそうです。

日本は…

岸田総理

許し難い行為が次々と明らかになっている。
戦争犯罪を許してはならない。

日本も8日に制裁強化策を発表する見通しですが、内容についてはEUなどの動向を見極める構えです。

なぜエネルギー分野への制裁が限定的となったのか、専門家はヨーロッパを中心にいまだにロシア産のエネルギーへの依存度が高いことが背景にあると分析します。

野村総合研究所
エグゼクティブ・エコノミスト
木内登英氏

制裁をかける側(ヨーロッパ側)にダメージがまだ大きい。
国際的な世論もロシアに対する批判が高まってくれば返り血も覚悟しながらエネルギー分野での制裁を強めていく。
今後ロシアが生物化学兵器・核兵器を使用する可能性があることを考えると、ここで制裁措置を全部打ち出してしまうわけにはいかなく、さらに事実が出るに応じて制裁を何段階か強化しないといけないから、そののりしろも意識しながら今回はここで止めている。

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