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[WBS]日本に向けたメッセージは!ウクライナのゼレンスキー大統領が国会演説

2022年3月23日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ロシア軍の侵攻から間もなく1ヵ月。ウクライナでの戦闘は激しさを増すばかりです。そうした状況の中、ウクライナのゼレンスキー大統領が今回は日本の国会で演説しました。岸田総理大臣も出席するG7の緊急首脳会議など主要国による重要会議を3月24日に控え、何を訴えたのでしょうか。

ウクライナのゼレンスキー大統領が国会演説!日本語で「アリガトウ」

午後6時、衆議院議員会館。

多くの国会議員や岸田総理大臣が見つめる中、スクリーンに映し出されたのは厳しい表情のゼレンスキー大統領です。何を語るのか…

両国の間には8,193キロメートルの距離がある。

飛行機で15時間もかかる。

しかし、お互いの自由を感じる気持ちに差はない。

生きる意欲に差はない。

日本はすぐ援助の手を差し伸べてくれた。心から感謝している。

そして日本に対し訴えたのがチェルノブイリ原発など戦場の原発の危機的状況。

チェルノブイリ原発が支配された。事故があった原発を想像してほしい。

核物質処理場をロシアが戦場に変えた。

ウクライナにある現役の原発4ヵ所、15の原子炉が危険な状態にある。

さらにウクライナで起きている惨状について悲痛な思いを語りました。

1,000発のミサイルや空爆によって数十の町が破壊されている。

多くの町では隣の人が殺されてもきちんと葬ることさえできない。

庭や道路に埋葬されている。

3月23日の演説でゼレンスキー大統領が語気を強めて訴えたのがロシアが常任理事国を務める国連など国際機関の在り方でした。

国際機関は機能しなかった。国連も安保理も機能しなかった。

その上で日本に対して強く求めたのはさらなるロシアへの圧力とリーダーシップです。

アジアで初めてロシアに制裁を行ったのは日本だ。

引き続き制裁の継続をお願いしたい。

既存の国際機関が機能しないので新たな予防策を作らなければならない。

本当に侵略を止められる手段・保障が必要だ。

日本のリーダーシップは大きな役割を果たせると思う。

12分間に及んだ演説。最後には…

ウクライナに栄光あれ。日本に栄光あれ。

戦場のキエフからの呼び掛けに岸田総理大臣は…

極めて困難な状況の中で祖国を、ウクライナの国民を強い決意と勇気で守り抜いていこうとする姿に感銘を受けた。

一方、在日ウクライナ人は大統領の演説をどう見たのでしょうか。大阪にあるベンチャー企業のウクライナ人の経営者は…

ウクライナ出身 ゼンマーケットのスロヴェイ共同代表。

まさかゼレンスキー大統領が日本の国会で演説するとは思っていなかった。

心に訴えるようなメッセージ、分かりやすいメッセージをしようとしていると思う。

ウクライナ出身 ゼンマーケットのコーピル共同代表。

日本の場合、ウクライナに武器を提供することは難しいと思うが人道的な支援をしてもらえればたくさんの難民が助かると思う。

今回の演説、国際政治に詳しい専門家はどこに注目したのでしょうか。

国際政治に詳しい立教大学法学部の佐々木卓也教授。

冒頭のチェルノブイリ原発への攻撃。おそらく福島原発を念頭に置いている。

ロシアの攻撃がいかに野蛮なのかを訴える意味があったと思う。

演説では日本との共通点にも触れ、友好関係を築こうとするメッセージも盛り込んでいたゼレンスキー大統領。佐々木教授はその狙いがロシアに対する経済制裁の強化を日本に求めるためだったとみています。

ゼレンスキー大統領が求める更なる経済制裁に踏み込むのは厳しい。

分かってはいるが要望として伝えたいということで貿易禁止なども言ったのだろう。

G7サミットが開かれるので各国首脳でどういう形で合意に持っていくのか。

ロシアに対する厳しい制裁への合意があるかもしれない。

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