ロシア軍がウクライナ西部にある軍の施設を攻撃するなど戦線は拡大し、民間人の犠牲者も増え続けています。情勢が悪化する中、ウクライナとロシアによる4回目の停戦交渉が3月14日に始まりました。また交渉の行方のカギを握るアメリカと中国の高官がロシアのウクライナ侵攻以来初めて対面で会談しました。現在も協議は続いています。停戦に向けて進展はあるのでしょうか。
ウクライナ情勢…戦線が拡大!アメリカ・中国 重要協議の行方は
ウクライナの首都キエフ。攻撃された住宅が炎に包まれました。地元の救急隊による決死の救出活動が続きました。
マンションの住民は…
言葉がない。言葉に表せない。
母親に起こされると煙とほこりだらけで私たちはクローゼットの中に隠れた。
さらにいまロシア軍の攻撃範囲は拡大しています。
ウクライナ東部で激しい戦闘が続く中、この週末に西部地域の攻撃が相次ぎました。ポーランド国境からわずか20キロ、ヤボリウの軍事施設にもロシア軍がミサイル30発以上を打ち込みました。
最近までNATOとの軍事訓練にも使用されていたこの軍事施設。
今回の攻撃で少なくとも35人が死亡し、134人が負傷しました。
ウクライナ軍兵士。
ロシアは明日にでも国境向こうのポーランドを攻撃するかもしれない。そこに妻や子どもがいる。
ヨーロッパに呼びかける。私たちはあなた自身を救ってほしい。明日では間に合わない。
ロシア国防省はこの軍事施設に置かれていたアメリカなどが供与した大量の兵器を破壊したと発表。ウクライナを支援する欧米を牽制した形です。
これを受けウクライナ側はロシア軍の空からの攻撃を防ぐためウクライナ領空を「飛行禁止区域」に設定するようNATIO加盟国に訴えました。NATOの飛行禁止区域に設定されればロシア軍機が侵入した場合、米軍機などが出動し追い払い必要が生じます。
ウクライナのゼレンスキー大統領。
NATOがウクライナの空を閉じない場合、ロシアのミサイルがNATO諸国の領土や民家に落ちるのは時間の問題だ。
そんな中、ロシアとウクライナは現在、オンライン形式で4回目の停戦交渉を行っています。
これまで平行線が続いてた両国の交渉ですが、今回は停戦や部隊の即時撤退などの問題が議論の中心になるといわれていて進展の可能性も見えてきました。
この停戦交渉と時を同じくしてイタリア・ローマでも重要な会談が行われています。アメリカのサリバン大統領補佐官がロシアのウクライナ侵攻後、初めて中国の外交担当トップ楊潔篪氏とイタリアのローマで会談しました。
この会談に先立ち、複数のアメリカメディアはアメリカ政府の高官の話としてロシアが2月24日にウクライナへの全面侵攻に着手した後、中国に対して軍事的・経済的支援を要請したと報じました。
これに対し中国は…
中国外務省 趙立堅報道官。
アメリカはウクライナ問題で中国に対する偽情報をまき散らし悪辣な下心がある。
ロシアへ強い影響力を持つ中国。今回の交渉の行方に世界が注目しています。