
国連によるとウクライナから逃れた人は200万人を超えました。ただ避難後の生活にも厳しい現実が待っているようです。多くの避難者が集まるポーランドから宇井記者に伝えてもらいます。

ウクライナ通貨が"両替停止"!避難者たちの厳しい現実…
宇井五郎記者。
ポーランドの南部クラクフにあるクラクフ中央駅に来ています。こちらの駅の一部ではウクライナから避難してきた人たちの避難所になっています。こちらでは現在40人ほどが滞在しているということです。

ウクライナから来た人たちにはポーランド語もよく分かっていない人も多くいます。こちらにはウクライナ語とポーランド語の簡単な訳が掲載されています。「何かを飲みたい」「トイレに行きたい」「ハグしたい」とい言葉もあります。

皆さん命からがら逃れて来られて大変不安な気持ちを抱えています。そうした中、さらに不安を募らせる避難先の現地の通貨を入手できないという新たな問題も発生しています。
こちらはクラクフ中央駅。ヨーロッパ各地に向かう電車やバスの拠点でウクライナからの避難者でごった返しています。

その駅前に行列が。両替所です。ウクライナから持ち出した自国の通貨を外貨に変えようと殺到しているのです。

しかし、いま厳しい現実が…

ウクライナからの避難者。
「ウクライナの通貨は両替できない」って。

こちらの人も…
ポーランドのお金が欲しかったけど両替したくてもしてくれない。

ウクライナの通貨「フリブナ」が両替できなくなっているのです。

ロシア軍がウクライナ国境に集結し緊張が高まって以降、価値が急落しました。

今後のさらなる暴落を警戒する多くの店が両替を停止しているのです。

両替所を経営する男性は複雑な胸の内を明かします。
両替所のオーナー、ミハル・ヤロスさん。
多くの避難者が来るのに両替を断ることを心苦しく思っている。

ただ「フリブナ」を両替すると私のビジネスは立ち行かなくなる。

一方、こちらの店ではロシアの通貨「ルーブル」の両替も停止していました。

ウクライナを攻撃するロシアの通貨を扱い利益を得るなんて考えられない。

今後も取引はしない。

通貨の価値が下落したことで200フリブナでウクライナでは10個は買えていたというパンもポーランドでは2個しか買えないそうです。突然戦争が始まり、避難を強いられた上にパンを買うこともできなくなる人もいます。こんな状況は一刻も早く終わって欲しいと感じています。
