全国で確認された新型コロナウイルスの直近1週間の感染者数が7週間ぶりに増加に転じました。
感染再拡大へ警戒が強まる中、ワクチンの注射器を巡って大きな動きがありました。
通常の注射器はワクチン1瓶あたり5回の接種に限られますが、7回接種できる注射器の生産が国内で早ければ今月末から始めることがテレビ東京の取材でわかりました。
医療法人徳洲会宇治徳洲会病院
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3月8日、成田空港にはファイザー製ワクチンの第4便が到着しました。
届いたのはおよそ41万人分。今月から始まっている医療従事者を対象にした優先接種に充てられます。
医師や看護師資格を持つ自衛隊員への接種も3月8日から始まりました。自衛隊病院や離島からの急患搬送の隊員などおよそ1万4,000人が対象です。
自衛隊中央病院の福島功二病院長、
優先的にワクチン接種を医療従事者にするのは、少しでも感染リスクを下げて対応できる。
そうした中、接種のスピードを早めるかもしれない新たな発見が。
宇治徳洲会病院の末吉敦院長、
インスリン用の注射器はデッドスペースがゼロ。7人分取れる。
京都の宇治徳洲会病院は糖尿病患者に使われるインスリン用の注射器を使うことで通常は1瓶あたり5回とされるファイザー製ワクチンの接種回数を7回に増やせると発表しました。
一般的な注射器では先端に隙間ができるため接種回数は5回。特殊な注射器でも6回が限度といわれています。
しかし、インスリン用の注射器で試したところ先端に液体が残らず7回分接種できることがわかりました。
早速、院内の医療従事者に先行接種を開始。インスリン用の注射器は本来筋肉注射用ではないため、あらかじめ筋肉までの深さを測って針が届くことを確認してから接種します。
こちらの病院で接種を希望する医療従事者はおよそ1,250人。1瓶で5回の接種だと1度で全員には行き渡りませんが、7回接種できることで全員が接種可能となりました。
数が増えるのはいいこと。
なるべくたくさんの人にワクチンが届いた方がいい。
宇治徳洲会病院の救命救急センター、畑倫明センター長、
5回しか接種できないことが分かった時、われわれは悩んだ。
職員の誰を切るか。
よし、全員受けられるとなり、やっぱりうれしかった。
一緒に闘っている仲間なのに誰かを落とすのはつらい。
病院によればファイザー社からはインスリン用の注射器でも効果に問題ないと説明を受け、厚生労働省からも肯定的な意見をもらっているとしています。
また新たに7回接種可能な注射器の国内生産が今月末にも始まることがテレビ東京の取材でわかりました。
注射器国内最大手のテルモです。
WBSでは2月17日、通常より多く接種可能な特殊な注射器の取材をしていました。
テルモの冨田剛上席執行役員、
至急開発に着手して、一日でも早く届けられるように今準備を進めている。
国民の多くが摂取するタイミングまでに間に合わせたいとしていた冨田さん。
開発を進めていた注射器が3月5日、厚生労働省の承認を得たといいます。
テルモの関係者は、
今月末より甲府工場で製造すべく準備を進めている。
この注射器は一般的な注射器と違って注射器の先端に液体後ほとんど残らない構造になっていて1回の接種で無駄になる量は一般的な注射器と比べるとおよそ30分の1に。
社内でこの注射器を使ってファイザーのワクチンの注射剤と同じ量の液体から何回接種できるか実験したところ、6回分ではなく7回分取れたといいます。
この注射器を使うと多くの回数が取れる。貴重なワクチンを無駄にしないところが特徴。