ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS] 大衆魚の「イワシ」に異変!?水揚げが例年のわずか0.4%!

2019年6月15日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

今が旬のイワシに異変が起きています。煮干しやアンチョビの原料となるカタクチイワシは不漁が続き、刺身やフライがおいしいマイワシも、これまで捕れていた漁港で水揚げが減っています。大衆魚の代表といわれるイワシも高級魚になってしまうのでしょうか。現場を取材しました。

株式会社熱海魚市場

静岡県熱海市。

午前7時過ぎ、市内の魚市場には採れたての魚が続々と並べられています。

その中でひときわ量が少ない魚があります。カタクチイワシです。

熱海魚市場の宇田勝社長、

例年だと200~300キロくらいこの市場の競りに並ぶ。

それだけの水揚げがこの時期あるはずだが、きょう800グラムしか水揚げされていない今の熱海のカタクチイワシの水揚げの現状。

いま熱海で深刻さを増しているカタクチイワシの不漁。

その影響は市内のいたるところに広がっています。

株式会社宇田水産

[blogcard url="https://www.kamaturu.co.jp/"]

熱海魚市場の宇田社長が家族で経営している食堂。

マグロとイワシのヅケ丼はワンコインで食べられる人気のメニューの一つですが…

メニューに入れる日の方が少ない状態。

水揚げが少ないと大衆魚じゃなくなる。

提供できなのはつらい。

漁獲量が減り始めたのは2年ほど前からですが、今年は特に少なく2~3日に1度しか水揚げがないといいます。そのため仕入れ値も高騰し今では10倍に。

「価格を上げようと思わない?」

思わない。ワンコインで。

痛いですね。もちろん。

株式会社釜鶴

[blogcard url="https://www.kamaturu.co.jp/"]

一方、こちらは干物を扱う老舗の釜鶴。

いま売出し中なのが自家製のアンチョビです。

こちらもカタクチイワシが手に入らないことで困難に直面しているといいます。

釜鶴の二見一輝瑠代表、

全国の土産品として特別審査優秀賞をもらい売り上げが伸びた。

「さあ、これから」というときにイワシがないと売るものがない状態になってしまう。

期待が持てる商品だが材料がないことには作れない。

保冷庫を見せてもらうと、4月に取れたカタクチイワシがありました。

通常この時期はカタクチイワシを入れた容器が20個ほど棚に並びますがいまはこの容器1つだけです。

魚が取れないのは非常に苦しい。

これから先の海の状況は不安。

勝川俊雄准教授

何故こんなことになっているのか、専門家は…

東京海洋大学の勝川俊雄准教授、

海にいるカタクチイワシのうち毎年10%くらい取ってきたが、今は40%くらいまで漁獲率が上がっている。

資源的に見て10年前と比べて非常に減っているので漁獲になんとかブレーキをかけていく必要がある。

さらに熱海ではカタクチイワシだけでなくマイワシも不漁だといいます。

株式会社シュン

[blogcard url="http://www.sakanaya-shun.net/"]

都内の鮮魚店を覗くと…

ありました、マイワシです。この時期が一番脂が乗っておいしいといいます。

こっち、ちょうだい。

きょうは手開きでかば焼きにする。

よく買う。安くておいしい。

刺身やフライなど調理の幅も広いイワシ。

魚屋シュンの渡部博店長、

イワシは人気ですね。皆さん好き。

熱海では不漁が続いているマイワシですが

マイワシの仕入れは全体的に少なめかも。

去年より全体的に小さくなっている。

今年このくらいでも去年はこのくらいあった。

今年のマイワシは去年よりひと回り小ぶりで同じ大きさのものを仕入れようとすると仕入れ値が2割ほど高くなるといいます。

この店では北海道からマイワシを仕入れていました。

実はマイワシ自体の漁獲量は近年伸びています。

北海道で多く取れているのに熱海では不漁が続くのは何故なのでしょうか。

魚は水温に敏感。

水温が上がると過ごしやすいほうに移動していく。

地球温暖化の影響か漁場はどんどん北に移動している。

昔は千葉県銚子辺りが漁獲の中心だったが、現在は青森県八戸や北海道釧路といった北の方で多く取られている。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-, , , ,