商品やサービスでヒットへとつながった転換点に焦点を当てる「転換点 変えたら売れた」です。
色を変えたことでヒットしたオフィス家具の転換点とは?
株式会社内田洋行
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都内にあるITサービス会社「ミクロ情報サービス」。
常務からのスケジュール、5月8日に変更で。
コロナウイルスの感染拡大に伴い在宅勤務の社員と打ち合わせをしているこのオフィス。
この会社は去年5月にオフィスを移転。社員が自由に席を動けるフリーアドレスのオフィステーブル「レムナ」を採用しました。
ノートPCを先輩や後輩のところにすぐに持っていって説明しやすい。
昔の机は袖机や引き出しが付いていて足元が狭苦しかったが、いまは空間が続いているので窮屈じゃない。
色を変えただけで4倍売れたオフィス家具の転換点とは!?
このオフィステーブル「レムナ」を作っていたのは内田洋行です。
日本の職場環境はその昔、ネズミ色の個人デスクに黒電話が一般的でした。
90年代以降はオフィスのIT化でパソコンやコピー機の色に合わせた白を基調とした色のデスクに変わっていきました。
2009年、内田洋行は机に縛られないフリーアドレス向けの「レムナシリーズ」を売り出しました。
当初は順調でしたが、ある時点で頭打ちに…
内田洋行のオフィス商品企画部、門元英憲部長、
個人机でなくテーブルで働くことは一部の働き方を変えていきたい。
クリエイティブな仕事をしたいお客様にしか受け入れてもらえず、思ったようには広がっていかなかった。
4年前、内田洋行はレムナの見直しに動き始めました。
製品のデザインを担当する齋藤治宣課長はある点に注目しました。
リビングっぽいものや自然素材を使うのものが増えてきていて心地よさが大事になってきたのでカラーを見直していきたい。
レムナは脚も天板も真っ白。そこで色を変えることに取り組みました。
働き方改革などから落ち着いた職場環境が求められると見てスターバックスコーヒーのようなカフェの雰囲気の色を探しました。
そちらにあるのが実際に塗ってみたもの。
結構ブラックブラックしている。
転換点
働く人が落ち着ける木目調の天板を採用。テーブルの脚を白から黒に変えました。
さらに木の天板に合う黒を作り出すため斎藤さんは黄色を混ぜ、オリジナルの黒を生み出したのです。
レムナはパナソニックや三菱地所などさまざまな企業で採用されています。
工場を訪ねると…
レムナを製造するサンテックの中村武史社長、
レムナのフレームの溶接工程。
実はフレーム部分の溶接は手作業。オフィス空間に合わせたオーダーメイドも受注しています。
サイズがいろいろあって機械だと大量にできるが、小ロットで短納期でやるのは人の手でやるのが一番。
さまざまな形があるので塗装の機械だけでなく、人の手で黒に塗っています。
白を黒に塗り替えることで去年はモデルチェンジ前の4倍、およそ9,000台の出荷を記録しました。
「色は売れるきっかけになる?」
売れるきっかけになる。色を変えると同じ製品でもガラッと変わった感じがする。
逆に色を放っておくと時代遅れみたいな形になってくる。