ウクライナ情勢は毎日刻々と変化していますが、その最新の戦況や被害の状況について日本の研究者がこのような衛星画像や3D画像を使って地図上で分かりやすく伝える取り組みを進めています。一体どのようなものなのでしょうか。

戦況・被害が地図で分かる!日本の研究者 新たな支援の形
先月公開されたこちらのサイト。

安藤淳記者。
こちらキエフ郊外で攻撃を受けた建物の3D画像です。画面を操作すると地図上のどこにある建物か分かるようになっています。

画像だけでも被害の様子は分かりますが、地図上に配置することで被害を受けた建物の周囲の状況も分かります。

先日空爆を受けたマリウポリ市の劇場の衛星写真も現在100ヵ所以上を地図で見ることができます。


このウクライナ衛星画像マップを作ったのが東京大学大学院の渡邉英徳教授。

教授の研究室では民間企業が公開する画像を地図データの上に毎日手作業で貼り付けています。

さまざまな都市の被害状況を伝えるものが配信されてくるが、1枚1枚の印象はすぐ薄れてしまう。

でもデジタルの地球上にどんどん重層していくと時系列でどんなふうに被害が広がっているのかも分かる。

当初は飛行場や工場などが被害を受けていましたが、最近ではマリウポリ市の住宅街の写真が多くなっているといいます。

先日、ウクライナ現地からドローンで撮影した360度の画像を掲載してほしいと依頼されました。

世界中に伝えたいと思っている人が多くいる。

遠く離れた日本のわれわれが救いの手に見えているのかもしれない。

渡邉教授と共同で地図データを活用した支援に取り組むのが青山学院大学の古橋大地教授です。

ウクライナから避難している人がポーランドや周辺の国々でスムーズにサポートを受けられる周辺国の地図作りをしている。

使っている地図アプリはオープンストリートマップ。誰でも書き込みできるのが特徴です。

航空写真を基に、例えば細かな部分で言うとここの建物にアクセスするためにはここに道が必要になる。だから道を書く、こういったことを一つ一つ手で情報を入力。

すでに大きな道は書き込まれていますが、小さな道などは航空写真をなぞって付け足します。

避難している人だけでなく、赤十字や国境なき医師団も使っているといいます。

ロジスティクスの部分では重要になってくる。

経路や建物があるとか、見渡すと建物があるはずだということで自分の位置の特定、いろいろな目的で使う。
