今注目!儲かる元素 原子番号19 カリウム K
リチウム電池を超える!?カリウム電池ついに!
儲かる元素、3つ目は原子番号19「カリウム」。
こちらがカリウム鉱石、主な産出国はカナダ。
バナナやほうれん草など多くの食品に含まれているわれわれの体に欠かせない必須ミネラルなんですが、いまある分野で大注目を浴びているんだという。
そこでやって来たのは都内にある理系の名門、東京理科大学。
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

駒場です、よろしくお願いします!
一体、原子番号19「カリウム」で何を作っちゃったのか?
早速、駒場教授の研究室へ。奥の部屋でスゴいものを作っているという。
番組スタッフ
これ何しているんですか?

東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

メインになる研究と実験をしている。
番組スタッフ
これ何ですか?

東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

カリウムです。
東京理科大学
理学研究科 化学専攻
五十嵐大輔さん
これはカリウムだけでできている。

純度100%のカリウム金属は外気に触れると燃えてしまうため完全に密閉された箱の中で作業しないといけないのです。
番組スタッフ
カリウム金属の重さは?

東京理科大学
理学研究科 化学専攻
五十嵐大輔さん

これはすごく軽い。
番組スタッフ
カッターですか?

東京理科大学
理学研究科 化学専攻
五十嵐大輔さん

そうです。
番組スタッフ
スパッと?

東京理科大学
理学研究科 化学専攻
五十嵐大輔さん

カリウム金属は簡単にかったーで切ることができる。
軽くてとっても柔らかいカリウム金属。
最後にローラーで平らにしてコイン状のものでフタをして完成。
そして用意したのが小型のLEDランプ。
すると…
東京理科大学
理学研究科 化学専攻
五十嵐大輔さん

いきます。
番組スタッフ
光った!

ということは…
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

私たちが研究しているのはカリウムイオン電池。
そう、駒場教授が研究開発を進めているのはカリウムを使ったイオン電池。
でも何でカリウムで電気が作れるのか?
実は元素周期表にその謎を解くカギが!
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

カリウムは周期表の中で言うとタテの列。
これがアルカリ金属という仲間で電池にするには都合の良い性質。
実は周期表の一番左の縦列にある元素はとっても電池にしやすい性質を持っている。
電子番号1番の水素は燃料電池として注目を浴びているし、原子番号3番のリチウムに至ってはスマホやパソコン、電気自動車など軽くて長持ちするということでリチウムイオン電池としていまあちこちで儲かっている!
だったらカリウムでも電池が作れるのではと10年前から研究を開始した駒場教授。
そして2015年、世界で初めてカリウムイオン電池の開発に成功しちゃったんです!
しかも、このカリウムイオン電池はあのリチウムイオン電池を超える可能性を秘めているのだという。
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

リチウムに対してのメリットはカリウムは資源が豊富で地政学的な問題がない。
レアメタルで高価なリチウムと比べてカリウムの埋蔵量は500倍。たくさんあるから安く作れちゃう!
さらに…
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

急速充電ができる!
例えば電気自動車だと1時間充電する必要がある。1時間充電する時間を10分で充電終わらせる。
駒場教授によると電気を運ぶ役割のイオンは速く動くほど充電も短時間で済む。
カリウムイオンはリチウムイオンに比べ大きいため電気を貯めるスピードも速いんだとか。
と、メリットだらけのカリウムイオン電池かと思いきや1つだけ難点が…
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

デメリットは唯一重いということ。
元素周期表の中でみるとわかるけど、リチウムは水素とヘリウムの次3番目。
カリウムは19番目。
1番から順番に少しずつ重くなっていく。
3番目に軽い元素(リチウム)と19番目に軽い元素(カリウム)。
電池に入れるとリチウムよりもカリウムは重いので電池も重くなる。
番組スタッフ
どれくらい重さが違う?

東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

カリウムが5~6倍重い。
なので現在期待されているのはソーラーパネルや風力発電など作った電気を貯めておく大型電池。
しかし、駒場教授があくまで目指すのは…
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

夢としてはリチウムイオン電池より軽くする!
リチウムとカリウム1個あたりの重さはかなわないけど、電池に使う他の部分を軽くできれば究極的にはリチウムイオン電池と同等、それより軽くできる可能性はある!
現在、大手の企業と連携して研究開発中の駒場教授。これは本当に儲かりそうだ!
東京理科大学
理学部 応用化学科
駒場慎一教授

カリウムイオン電池でがっちり!