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[WBS]用途広がるドローン…手足が不自由でも操縦可能に[テクノツール株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

12月5日から操縦する人が近くにいなくても市街地の上空などで自動で飛ばせるようになるなどドローンの用途がますます広がっています。こうした中、手足が不自由な人でもドローンを簡単に操縦し、新たなビジネスにつなげようという取り組みが始まっています。その現場を取材しました。

手足が不自由でも簡単操縦
"視線"で飛ばすドローン!?

梶山紘平さん(37歳)。3歳で全身の筋力が低下する難病「筋ジストロフィー」と診断され、10年以上寝たきりの生活が続いています。

そんな梶山さんが最近ハマっているのがコンピューターゲーム。手を使わなくてもキャラクターを自由自在に操っています。

その秘密が赤いランプが点滅するセンサー。梶山さんの視線の動きをセンサーが捉え、画面上にカーソルとなって現れます。

梶山さんはそのカーソルを視線で動かし、画面上の選択肢に移動させます。そして頬を膨らませてスイッチを押すことで実効。キャラクターを自由に動かすことができるのです。

梶山紘平さん

ゲームをやることで貪欲になった。
あれもやりたい、これもやりたいみたいな。

この仕組みを開発したのがテクノツールの島田真太郎社長。

テクノツール
島田真太郎社長

ゲームを通じて、複雑な入力や操作に慣れていくことで、働く、楽しむ、誰かに出会うとか、あらゆる場面で社会参加が進められるのではないか。

東京・稲城市、島田さんの父、努さんが創業したテクノツールは体が不自由な人が簡単に操作できる装置を開発していました。

テクノツール
島田真太郎社長

難病で力の弱い人たちが、この軽いジョイスティックを指先で動かしたり、あごで動かしたりして、マウス操作をする。

テクノツールが開発した装置によって生き甲斐を取り戻した人がいます。元プロレーシングドライバーの長屋宏和さん。

20年前、鈴鹿でのレース中に大クラッシュ。脊髄を損傷し、両足がまひ。両手の指も思うように動かせません。

しかし、テクノツールが開発したアクセルとブレーキを手で操作する特殊なレバーを手に入れたことでバーチャルレースのドライバーとして第一線に復帰することが出来たのです。

長屋宏和さん

自分の夢に向かって第一歩をまた踏み出せたのかな。

そのテクノツールの島田さんがいま開発を進めるのが手足が不自由な人でも操縦ができるドローンです。

テクノツール
島田真太郎社長

ドローンの法改正があって、目視外、直接見えない範囲をコンピューター経由で飛ばす世界になる。
であれば、将来的に寝たきりの人たちが自宅のベッド上からドローンを操縦して仕事をする。
ドローンの運行を制御する未来があってもいいはず。

開発するドローンのテストパイロットに志願したのが梶山さんです。

梶山紘平さん

自由に視線を動かして、いろいろな世界を旅してみたい。

果たしてドローンを操縦することはできるのでしょうか。

"視線"で飛ばすドローン
テスト飛行に密着!

12月1日、この日、難病の筋ジストロフィーを患う梶山さんが神奈川県藤沢市の研究施設にやって来ました。これからドローンの操縦に挑戦します。

開発に携わったテクノツールの島田さんはリモートで参加します。

テクノツール
島田真太郎社長

テストフライトを始めましょう。

画面にはドローンに搭載したカメラの映像が映し出されています。

コンピューターゲームの操作と同じように梶山さんが視線を動かし、画面のカーソルを前進に合わせます。

そして頬を膨らませてスイッチを押すと、ドローンが前に進みました。

続いては右回転。こちらも動きました。

着陸も見事成功!

梶山さん、ドローンを自在に動かすことが出来ました。

梶山紘平さん

もうちょっと難しいのに挑戦したい。
経験を積んで、職につながるように努力したい。

開発した島田さんは2年後をめどにドローンを使って、手足が不自由な人が仕事ができる仕組みを実現したいといいます。

テクノツール
島田真太郎社長

ドローンを遠隔から制御・監視する役割は寝たきりの人たちも十分担える可能性があるので、そういった業務につなげていけるようにプロジェクトを動かしていきたい。。

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