2018年10月に豊洲に移転することが決まった築地市場。
1月5日に最後となる初競りが行われました。
毎年話題となるのが最高値のマグロを一体どこが落札したのか?
2008年からは板前寿司が銀座久兵衛などと組むなどして4年連続で落札をしていました。
2012年からはすしざんまいを展開する喜代村が6年連続で落札しています。
その額を見てみると2013年は1億5,540万円、2017年は7,420万円でした。
そして1月5日、最後の築地No.1マグロを巡っていつも以上に熱い争奪戦が繰り広げられました。
今年はどうやら異変があったようです。
株式会社築地すし好
[blogcard url="http://www.tsukiji-sushiko.com/"]
都内に26店舗を展開する寿司チェーン「築地すし好」。
1月5日の夜明け前の午前3時、本社で成田仁孝社長が打ち合わせを開いていました。
相手はマグロの競りを依頼する仲卸業者、やま幸の山口幸隆社長です。
名残惜しい。最後だからいいマグロ、最高のマグロを落としたい。
築地で最後の初競り。
どんなマグロを狙うのか?
事前に得た情報をもとに作戦会議です。
「今回の目玉は?」
でかいのがある。約400キロのマグロが水揚げされた。
初競り
そして5時過ぎ、いよいよ初競りが始まりました。
競りにかけられた天然のマグロ、145本中で最高額となったのが400キロを超える青森大間産のクロマグロ。3,645万円で落札されました。
例年よりクロマグロの入荷が多く人気が割れ、2017年の初値の半値以下でした。
2018年のNo.1マグロには仲卸、やま幸の札が貼られました。
すし幸に決まったのでしょうか?
実はやま幸が取引をする別の業者、銀座の寿司店「鮨 銀座おのでら」が落したのです。
株式会社LEOC
[blogcard url="https://www.leoc-j.com/"]
「鮨 銀座おのでら」を運営するLEOCの小野寺裕司社長は、
1億円でも買えないと思っていた。
縁起物なので赤字だが常連さんに食べてほしい。
最高値のマグロは1月6日からコース限定で振る舞われる予定です。
株式会社喜代村
[blogcard url="http://www.kiyomura.co.jp/"]
一方、6年連続で最高値で競り落としてきた寿司チェーンのすしざんまいは190キロのマグロを3,040万円で落札。
1キロあたりで見れば最高値のマグロとアピール。
すしざんまいを運営する喜代村の木村清社長は、
総額では負けて悔しいが質でいきますから。
築地すし好
そして築地すし好は約200キロの大間のマグロを2本落札。
その額は合わせて約400万円でした。
成田社長は、
いいですね、三拍子そろったマグロ。鮮度、色、脂、身質。
早速、お客様に特別価格で振る舞われました。
もちろん赤字覚悟の大サービスです。
築地市場というのは名残惜しいが、その最後にいいマグロが買えたのはうれしい。
株式会社板前寿司ジャパン
[blogcard url="http://itamae.co.jp/"]
一方、かつてマグロの争奪戦を繰り広げていた板前寿司。
2011年に4年連続で最高値のマグロを競り落としましたが、今では初競りでの最高値争いに参加していないといいます。
板前寿司 江戸の永島隆一郎さんは、
初競り最高値にこだわって高額にしてしまったのも良くなかった。
ただホームページでは過去4年連続で最高値マグロを競り落としたことをアピール。
恩恵はそれなりに。お客様に知ってもらえたところ。
過去の話にはなるが、最高値でマグロを落札したという誇りがある。
寿司業者にとっての一大イベント「初競りマグロ」。
2019年からは豊洲に場を移し新たな争奪戦が繰り広げられることになります。
板前寿司ジャパンの中村桂代表は、
「築地」というブランドそのものが世界に通じていますので、それが使えなくなることは非常にさびしさがある。
今度は新しい「豊洲ブランド」を世界に発信できればよい。